第5話 そして翌日
暗闇の中で光がちらつく。
(…朝か。)
見れば窓の外から朝日が指し込み、ちょうど目の辺りに当たっていた。
(これぞ自然の目覚まし、ってか?)
昨夜遅くに家に辿り着き、そのままベッドにダイブ、気付けば朝を迎えていた。
携帯を見ると時刻は7時前、そして海近からのメールが1件届いていた。
『昨日のミノタウロスはロストってさ。それで今晩からの討伐作戦、俺らは外すってさ。』
それは、昨夜"黒の森"で遭遇した(より正確には見つけた)ミノタウロスの行方が分からなくなったことと、それによって今晩の"バイト"がなくなるかもしれないという内容であった。
(ま、それはそうだろう。なんせもうすぐ高校とはいえ法律上は中学生だし。)
世間一般に正当防衛等の例外を除き、自主的に魔物討伐を行ってもよいのは高校生以上である。加えて高校入学後の1年間は準退魔士として扱われ、高校1年次での退魔士のランクは最高でもE止まりとなる。
しかし、一方で例外というものもある。それは、貴族家または武家に連なる者に対しては幼少期からの訓練により、特例として退魔士見習いという扱いでランクが与えられることがあるのだ。この場合、中学生1年次は準退魔士見習い、2・3年次には退魔士見習いとして活動ができ、高校に上がると同時に1年次で退魔士として活動ができる。ちなみに与えられるランクの最高はこちらもEランクである。
このような特例があるとはいえ、事が事であれば、その特例が通らないこともある。例えば事実上ランクB以上の魔物が確認されている場合など。
(なんせ特例に特例を重ねている身だしな、たまには休みというのもありだろう。)
遠い親戚が貴族家とはいえ非貴族・武家の身でありながら、つい先日海近と同時に退魔士見習いの立場でEランクとなった真也にとって、変に周りの、特に貴族家の反感と関心を買うつもりは"今のところは"ない。
真也は、のそりと起き上がって学校に行く支度を始めた。
「うぃ~す。」
学校へ向かう途中、海近と会った。
「お前も眠そうだな。」
「まぁね。昨日は爺ちゃんか色々話聞いててな、寝る時間が遅くなっちまった。」
あくびをしながら答えてくる。
まぁ、昨夜解散したのが深夜で、それから話をしていたのいうのだから仕方ない。
「あ、そうそう。送ったメールは見たか?」
「あぁ。時間ができたし、久々に受験勉強に励むことにしたよ。」
「そか。ま、がんばれや。」
「おぅ。」
推薦ですでに国防高校への進学が決まっている海近とは違い、真也は一般受験だ。実技は自信があるにしろ、筆記を疎かにすると進学を諦めないといけなくなる。
「あぁ、そうだ。昨夜話してた五神将の話覚えてるか?」
「ん? 俺らと同級生になる奴がいるかもって話のやつ?」
「そうそう。あれな、昨日の爺ちゃんからの話だと、ほぼ確定になった。」
「……そうか。」
「こりゃ一波乱ありそうな予感だな。」
「まぁ、波乱どうこう以前に、受験に合格しないとな。」
そうこうしている間に学校の近くまで来る。
当たり前だが、学校に近づくにつれて登校中の学生が増えてくる。そんな彼らの話題はやはり昨夜行われた討伐作戦のことであった。
――テレビでは言っていないけど、昨日かなりの死人が出たんだって。
――それってやばくないか?
――いやさすがにそんな事態になれば国も放置しとかないだろ。何らかの措置があるって。
などなど、多くの死人が出たことは伏せられていたのであるが、実際完全に情報の流出は防がれていなかった。
数十年前とは違い、一から再び情報網の構築が為され、それによっていくらかの情報流出も増えていった。
「やっぱり昨日の話が噂になってんな。」
「あぁ。まぁだが、この出所はどうせ反政府団体か非認可の退魔士連中からだろう?」
「だな。ったく、庇護も受けず勝手に危険地帯に入っておいて、挙句は『政府のせいだ~』だもんな。胸糞悪いぜ。」
外側には魔物という自然の脅威や東側との緊張、内側では反政府団体や非認可の退魔組織による問題。まさに内憂外患とはこのことを指すのだろう。
貴族は嫌いだが、同年代と言われる五神将に対してはご愁傷様としか言いようがないな、と少しだけ思った真也であった。
・・・・・
・・・
・
ザァーー
今日の全ての授業が終わった現在、今朝のさわやかな晴れ模様が嘘のように空には暗雲が立ち込め、雨が窓に打ち付けられていた。
「うひゃー。今朝の天気で降るとは誰も思わねぇわな。」
隣で同じように窓の外を眺めている海近がやれやれといった感じで言った。
「まぁ確かにな。しかし、あっちの方は大丈夫だろうか……。」
「ん? あぁ、確かに不穏な感じではあるな。」
2人はその場にいたから知っている。
昨夜、ミノタウロスの遭遇を討伐隊の本陣へ報告した後にすぐさま精鋭隊が組まれ、森内部に送り込まれた。そして、ミノタウロスを発見できなければ翌日――つまり今日、精鋭部隊によるミノタウロスの討伐作戦が行われることになっていた。
今朝の時点で発見されずとあったので、おそらく今頃討伐作戦が行われているのであろう。
「それよりシン、今日は勉強は居残ってやんの?」
「いや~、どうすっかなぁ。」
もし今朝のように晴れのままだったら家でやるつもりだったんだがな……
今このタイミングで帰ると間違いなくずぶ濡れになって帰ることになるだろう。
「ならうち来いよ。」
「は? 今日はお前の暇つぶしに付き合わんぞ?」
「いやいや、ちゃんと勉強するって。流石に推薦だからといってこのままでいると進学後に授業に付いて行けなくなりそうでな。」
海近が受かり、真也も目指している太政府附属西宮中央高等学校の戦闘科は、普通科ほどではないにしろ一般教養の授業もある。
「まぁ、お前の場合は興味がある科目とない科目に対する入れ込み具合の差が激しいもんな。」
ちなみに海近の得意科目は体育、化学、物理であり、成績は体育がトップ、理科系が並以上。反対にその他の科目に関しては並もしくは並以下である。
「うぃ。だから俺はお前に勉強を教えてもらう、お前は俺に教えることで復習にもなる、まさにWIN-WIN!!」
にかっと笑う海近。
「それにこの雨だろ? うちのモンが迎えに来るそうだし、夜は家まで送るつもりだってさ。」
「つもりだってさ、って家の方が了承済みかよ……。まぁ、別にいいけど。」
「うっし、じゃあ決まり!! もうそろそろ迎えが来るだろうから玄関で待とうぜ。」
仕方ない、そうするか……。
必要な教科書やノートを鞄に入れ、2人は教室を出た。
校門まで行くと黒塗りの車が一台止まっていた。
そちらへ近づいていくと、こちらに気付いたのか、運転席から黒い背広を着た強面の男が出てきた。
「若、お迎えに上がりやした。」
「おぅ、ご苦労さん。今日はシンもよろしく頼むぜ。」
男がこちらをちらりと見た。
「いつもお世話になっています。今日はよろしくお願いします。」
例え海近に誘われたからだとしても、乗せてもらうことには変わりないのできちんと挨拶はしておく。
「これはこれは、ご丁寧に。若の頼みとあっては…と言いたい所ですが、相手は桐藤の兄貴。これくらいはどうってことはないでさぁ。」
どうぞ、と後部座席のドアが開かれ、海近と共に座る。運転手も乗り込むと、車は遠山家に向けて出発した。
「あのさぁウミ、お前ン所の"兄貴"呼びってどうにかなんねぇの?」
「あ~それな、無理無理。」
「なんで?」
「いや、だって。」
今更何をと言った感じの顔をする。
「自分で言うのもなんだけど、若って呼ばれる俺の親友にして、時期当主である親父にも認められ、更には現当主で気難しいとされる爺ちゃんにも一目置かれる。そんな奴を目下とか対等で扱える奴は幹部連中にもいねぇって。」
「それはそうだが……」
「それに退魔士見習いとはいえ、ランクはその中でも最高のランクEだぜ?」
「それに関しては、『オマエモナー』とだけ言わせてもらおうか。」
「ったく。桐藤は貴族の遠い親戚としてもほぼ一般人だろ? 仮にも武家で一応厳しく修行してきた嫡男の俺とほぼ並ぶとか、お前の半生どうなってんのよ。」
真也は少しだけ悩み、
「……まぁ、それは追々話すさ。」
そう言ってはぐらかした。
今でこそ、少ないとはいえ一緒に過ごして来た親友の海近に言われるから苦笑いで済んだのであろう。しかし、"あの頃"や、他人がこういったことに突っ込みを入れてくればおそらくキレていただろう。
「追々、ね。ま、今はそれでいいや。」
「…さんきゅ、な。」
降り続く雨の勢いは少しだけだが収まってきた。
車に揺られて数十分。
目的地である海近の家に着いた。
「じゃ、自分は車を車庫に戻してきますんで。」
「はいよ。俺達はそのまま家に入るわ。またシンを送るときに呼ぶから、そのときはよろしく。」
車から降りて、門をくぐり敷地内に入る。
遠山家の敷地はかなり広く、その中には和風式の居住区となる本館や、模擬戦などができる鍛練場、様々なものを保管できる倉などがある。
鍛練場からは、今も訓練か模擬線が行われているのか、大声が聞こえてくる。
「今は鍛練時間だっけ?」
「いや、いつもならそうなんだけどな。ほら、今日は例の討伐作戦だろ?」
「あぁ。」
「で、うちの強いヤツらはそれに皆出てってんの。まぁ、うちのモン達は後詰の部隊か支援にまわされてるだろうけど。」
平常時の討伐は退魔士の組織又は個人が各々で自由に行っているが、国が主体となって行われる討伐作戦では軍部の指揮の下で行われるため、ランクB以下の退魔士は討伐部隊に組み込まれることはない。逆にランクA以上の退魔士は部隊に編成されて軍部の指揮下に入らなければならないのであるが、遠山家にはランクAの退魔士は1人しかいない。しかしその1人というのが、現当主であるため徴集されることはない。
「ん~、じゃあ今鍛練場から聞こえてくるのは?」
「多分自主的にやってる奴らがいるんじゃないかね。気になるなら勉強の後に寄ってくか?」
「そうだな。そうさせてもらおうか。」
実は昨夜の掃討作戦、不完全燃焼だったんだよなぁ。
「ただいま~。」
「お邪魔します。」
海近が玄関の引き戸を開ける。
「ん? 誰か来てるんのか?」
この家は住んでいる人数が多い故に、靴が散乱しないように靴箱に靴を入れる習慣がある。
にも関わらず、数人ほどの靴が土間にそろえて置かれていたので、来客があると考えたわけであった。
「ん? 今帰ったか。丁度いい。」
靴を脱いで家に上がると、応接用の部屋から当主である遠山厳造が出てきて、こちらに来いと手招きをしていた。
「何、爺ちゃん? お客様?」
「おぅ、そうだ。ちと挨拶していけ。あぁ、真也もだ。」
誰だろう? と海近と顔を見合わせた。
部屋に通されると、中には数人の黒服の男たちが部屋の壁に並び、真ん中では高齢の男性が一人座っていた。
「ほっほっほ、昨夜ぶりじゃの。」
「あ、昨日本陣にいた!!」
海近が思い出してそう言った。
……あぁ、そういえば。
「なんだ、昨日会ってたのか。じゃあ話は早ぇな。こいつァ聖協会で総務長…だったか? まぁ、高山右京ってジジイだ。」
「高山右京って…"三賢"の?!」
――高山右京
日本の表向きの頂点に君臨する五神将の直轄の組織である退魔聖協会。その組織で3人のトップ――通称"三賢"の一角を担っている人物である。現在の役職こそ協会運営を任される総務長であるが、その実力は元退魔士ランクA+まで上りつめたことがあるほどである。一方でその名声とは逆に退魔士を引退するのが早かったこともあり、若い層では名前だけが知られており、顔までは覚えられていなかった。
ところでこの退魔聖協会は、関係者やその衣装から教会とも言われることが多いがその実態は、ファンタジー世界の物語で言うところの冒険者ギルドに相当する。なので、いわゆるギルドマスターの一人とも言えた。そしてこのギルドマスターはめったに人前には出てこないために顔を知っている者は少ない。
(昨日会った人が"三賢"だったとはな。ってかそんなお偉いさんがどうしてこの家に?)
いくら武家とはいえ、遠山家の家格は実をいうとそんなに高くない。であるからして、そんな家に国の上層部の1人とも言える人物が訪ねてくること自体がまずありえない。
「なんじゃ、その適当な紹介は…。相変わらずよのぉ。」
しかし、ジジイ呼ばわりされた右京は厳造の紹介に怒りもせず軽く返すだけであった。
「うっせぇよ。んでまぁ、こいつが孫の海近で、そっちがそのダチの
「ふむふむ、よろしゅうに。」
「「は、はぁ…。」」
昨夜会った人が実は高位の人物だったということで驚きを隠せなかった2人は気の抜けた返事しかできなかった。
「で、どうせならこいつらを同席させたいんだが……。」
「まぁ、ある意味で当事者だしの。機密であろうがなかろうが関係なかろうて。」
えぇ……
「うら、何ボサっとしてやがる。さっさと座ンな!」
仕方なく海近と部屋の隅に積んであった座布団を取り、厳造の斜め後ろ側に座った。
「で、話の続きだが?」
「そうよのぉ。だが、まずはこの子達に説明をする方が先じゃろうて。」
「あ~、じゃあ頼むわ。」
「……全くしょうがない奴じゃのぅ。」
厳造は極度の面倒臭がりである。なので説明を全て右京に投げた。
「まずは、昨夜の討伐作戦への参加、感謝する。ミノタウロスは未だ発見されておらぬが、能無し共の件の報告は助かったよ。ありがとう。」
そう言って、皇国のトップ陣の一人が、たかが中学生に頭を下げて感謝した。
「い、いえ、顔を上げてください老子!! こちらこそ、昨日は無礼な態度で申し訳ございませんでした!!」
おそらくは昨日、右京の元を尋ねたときの態度のことを言っているのだろう。海近も頭を下げ返した。
「よいよい。若者は元気でないとな……まぁ、元気すぎるのもなんじゃが、の。」
(昨日の"愚者"共のことか…。)
"愚者"とはいえ同じ人間だ。明日は我が身と思えば、「かわいそうに」程度の情は沸く。まぁ、ほんの少しであるが。
「で、じゃ。昨夜の掃討作戦は、いつも行っている定期的な掃討作戦とは違うものであったとは薄々気付いていたのではないかな?」
実のところ、魔物の掃討作戦は協会の指揮下のもと、魔物を禁止区域から溢れ出さないように定期的に行われている。
「えぇ、それはまぁ。」
「しかし、今回の掃討作戦はそれとは違って、五神将が直接下した掃討令であったのよ。」
「それは…一般人に与えてもいい情報なのですか?」
「これくらいは構わんよ。」
一瞬、これは機密に関わる話なのではと思ったが、どうやら杞憂だったらしい。
「そしてその掃討作戦の原因となったのが、最近多発しておる……」
「禁止区域外での魔物の出現、か。」
「その通り。五神将はその原因を魔素溜りの活性化と考えた。そして"
過去に禁止区域での魔素溜りを放置した結果、魔物達が増えすぎて禁止区域から溢れ出し、近隣の街々を蹂躙したという事件が起こったという。当時の五神将がかなりの退魔士を動因して掃討作戦を行い、なんとか禁止区域の魔素溜りも通常のレベルへと下げることができたものの、それまでに幾多の街が破壊された。
「……さて、話は戻るが厳造よ。此度のミノタウロスといい、禁止区域外の魔物といい、どう考える?」
先程ののほほんとした雰囲気とはうってかわり、真剣な眼差しを厳造に向ける。
「どうもこうもあるめぇよ。出たら殺す、それだけのことよ。」
「それはまっこと脳筋の考え方よの。」
「何ィ!?」
「…して、そっちの2人はどう見るかね?」
喧嘩腰の厳造を無視して今度は海近に質問を投げかけた。
「た、確かにここ最近はイレギュラーな魔物の出現が立て続けに起きていると感じます。」
「ふむ、それで?」
「えっと、それで、このまま状況が悪化していけば一般市民への安全が脅かされる事態が起きるかもしれないと。」
目を閉じ、しばらく黙する右京。そしてニコリとして、
「まぁ、そこな脳筋よかはまともな意見ではあるが、それではギリギリ及第点届かずじゃの。こちらでも同じような話はすでに出ておる。」
「そ、そうですか。」
微妙な評価を返した。そして次にこちらを見てきた。
「ではそちらはどうかな?」
「はい。俺…いや、私も先程と同じ意見ですが、この一連の騒ぎには違和感を感じております。」
「ふむ、続けなさい。」
右京が目を閉じて言う。
「では。まず禁止区域外の魔物の件。通説を信じるのであれば、魔物は魔素溜まりから生まれるもの。しかし魔物の出現したエリアでの魔素溜まりは検知されていない。そうですよね?」
「確かに。これはニュースにもなっとる話よの。」
「はい。そしてこれには情報規制が敷かれているとは思いますが、私の調べた限りでは、魔物が禁止区域から出てきたという形跡は見られませんでした。」
「「!!」」
「……。」
厳造と海近は驚くが、右京は目を閉じたままだ。
「そして、今回のミノタウロスの件。退魔士見習いとして習う魔物の内、固有名持ちの魔物の中では比較的に知られている魔物ではありますが、これまた通説通りだと、ミノタウロスという魔物が"黒の森"で生まれてくることは、まずもってありえない。」
右京の眼光は鋭くなる。
「ミノタウロスはその縄張りを島に持つと言われていますから。」
「ほっほっ。今時の退魔士見習いとしては知恵と行動力は良い方じゃの。」
「ありがとうございます。」
「…して、君の意見、いや結論は?」
「はい、それで先に述べたように海近と同じ意見に至るのですが、これら2つの件が"ジャブ"だとするなら…」
「ふむ、そろそろ"ストレート"がくるかの。」
流石にジャブジャブストレートはどうかと思ったが、この魔物の発生に対する異常さは、次に何が起きてもおかしくはない。
……そしてその当たって欲しくない予想はすぐ現実のものとなる。
「た、大変です!!」
ドタバタと廊下を走る音が聞こえたと思うと、ガラッと部屋の
「何事か、騒がしい。」
「老子、大変です!! "黒の森"に突入した精鋭部隊との連絡が途絶え、ビーコンも消失しました!!」
『ッ?!』
「おそらく…全滅したものと思われますッ。」
――精鋭部隊、"黒の森"にてミノタウロスの討伐の任を負うも原因不明の出来事で全滅か。
その報は政府上層に瞬時に伝わる。
そして、その日の夕方、皇都全域に非常事態宣言が行われるのであった。
黒の桜花 夜佐 @yaskboya
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