ハマる人にはハマる

よくある追放復讐その後ハッピーものかと思って読んでたら痛い目を見ました。
復讐に爽快感はなく、それでいて中毒性があり、感情移入しすぎてどろどろの陰鬱とした気持ちが私の中にも渦巻いています。読んでいてここまで心臓がバクバクしたのは始めてです。

マサムネと同じく虐げられた人、あるいは現在進行系で虐げられている人は共感しやすいのかもしれません。作者もありのままの感情をぶつけているような印象を受けました。

そして本当の意味でマサムネの心の闇に寄り添うことのできる人はいなかったように感じ、ただ悲しかった。マサムネも4人も、もっと話し合うべきでした。
自分たちの行いは省みず他人の批判ばかりする奴らには辟易しましたが、誰しも少なからず思うところがあり、それが世界鏡を経て初期化後の形になったのだと思いたいです。

申し分なく楽しめましたが欲を言うと、初期化前クライマックスでのシエラ、ネムのそこに至るまでの心理描写、世界鏡に触れたときのみんなの反応がもう少し欲しかったです。
初期化後のストーリーが見たい自分もいますが、読み終えた後の悲しさこそがこの作品の醍醐味なので、しばらくはこの悲しみの余韻に浸りたいと思います。

最後に

オズワルドは一番嫌い。