作者が楽しんで書いた作品は、やはり楽しい

(2020年12月30日 追記)
 未完のままのはずの作品を書き上げられたということで、レビューをすべて書き換えようかとも思いましたが、当時の状況を踏まえての今の完結なので残しておくことにしました。
 大きな困難を乗り越え、いまだに戦い続けているせてぃさんとご家族に敬意を表します。

 止まっていた連載が再開し、世界の謎、ネクストについて、キャラの関係が明らかになる中、やはり目を引くのは戦闘につぐ戦闘。せてぃさんの「好き」が詰まったバトルは見ものです。
 ぜひたくさんの方に最後まで楽しんでいただきたい作品です。

 (追記 ここまで)


 まずはじめに、この作品は未完のまま連載を止めています。それの理由と状況は作者の近況ノートに書かれています。
 https://kakuyomu.jp/users/sethy/news/1177354054886966855
 それでもわたしはこの作品が好きなので、レビューを書かせていただきます。

 舞台は近未来の東京ならぬトーキョー。
 肉体を機械化した「強化」と、そのままを望んだ「非強化」が上下の階層に別れて住む世界だ。

 強化と非強化の間で戦争が起き、収束してから十五年が経った。
 強化の中でも力を持つ犯罪者がトップに君臨する組織が支配し、危ういバランスながら仮初めの平穏を保っていた。

 だが、七同盟とうたわれる七人の支配者の三人が、あっという間に暗殺されることで事が大きく動き出した。
 襲撃者は誰だ?
 再び戦争を起こそうとしているのか?
 数々の迫力あるアクションシーンを交えながら、謎が少しずつ明かされていく。

 作者であるせてぃさんが描きたいものを描きたいままに書いたこの作品は、彼の魅力が沢山詰まっていて、未完ながら大変に魅力的だとわたしは思う。
 物語はすごくいいシーンで止まってしまっているが、この先をあれこれと想像するのも面白い。