62.前略、殺し屋カフェで働くことになりました。 感想

 こちら、何の前情報も無くタイトルと黒髪ロングのスカジャンをした女子高生の表紙、「そこは、可愛い殺し屋立ちが集まる喫茶店――」という帯に惹かれて買いました。


 作者の竹内さんは、今作で三作目。劇団で脚本を書いたり演出をしたりもしているようです。


 あとがきを見ると最初は異世界ものとして企画が進められていたようですが、途中で異世界である必要がないとの担当の一声で、現代が舞台になったとか。そういう裏話も面白いですね。



◆タイトル『前略、殺し屋カフェで働くことになりました。』

◆作者 竹内佑

◆イラスト イセ川ヤスタカ

◆レーベル ガガガ文庫

◆発売日 2018/10/23


◆感想


 夜の街。見てはいけないものを見てしまった高柳迅太は、意識を失う。


 そこで聞こえてきた、何やら物騒な会話。自分が殺されると分かった迅太は、命乞いをし、殺し屋を名乗る女の子たちの働くカフェでウェイターをすることに。


 クセだらけの少女たちと普通の少年が、不思議な喫茶店で社会の闇に触れるとき、物語は少しおかしな方向へと動きだす――。


 殺し屋カフェで働くことになった少年のお話です。


 ちょっと訳ありのメンツが集まっている喫茶店。秘密基地のような閉ざされた空間の居心地の良さと、都会の雑多さ、裏社会の雰囲気が絶妙なバランスで、小粋な感じの作品になっています。


 読んでいるうちに、こんなカフェに通ってみたいなぁ、という気持ちにさせられます。

 ちなみに女の子たちの中では紙魚子がタイプです。


 ちょっぴりダークだったり痛そうなシーンもあるのですが、軽快に話が進んでいくので重い雰囲気にならないのもいいですね。


 小粋で痛快なエンタメ小説となっていますので、マフィア映画やギャング映画が好きな方にオススメしたい一作です。



◇『スカートの中のひみつ。』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885969256/episodes/1177354054885983170


◇『ピンポンラバー』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885969256/episodes/1177354054886267020


◇『六人の赤ずきんは今夜食べられる』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885969256/episodes/1177354054886023932

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