63.ようこそ実力至上主義の教室へ 感想
「よう実」という略称でも親しまれている作品で、累計発行部数は200万部突破した人気作品で、2017年にはアニメ化もしています。
作者の衣笠さんは元々ゲームのシナリオライターだったそうで、その点が緻密な設定や構成にも生かされている気がします。
◆タイトル『ようこそ実力至上主義の教室へ』
◆作者 衣笠彰梧
◆イラスト トモセシュンサク
◆レーベル MF文庫J
◆発売日 2015/05/31
◆感想
希望する就職、進学先にほぼ100%応える全国屈指の名門校・高度育成高等学校に新入生のひとりとして入学した綾小路清隆。
毎月10万円の金銭に値するポイントが支給され、髪型や私物の持ち込みも自由。まさに楽園のような学校。だがその正体は優秀な者だけが好待遇を受けられる実力至上主義の学校だった。
不良品が集まる場所と揶揄される最底辺のDクラスに配属されてしまった綾小路は、同じクラスで成績は優秀だが性格に超難ありの美少女・堀北鈴音、気遣いと優しさでできた天使のような少女・櫛田桔梗らと出会い――というお話。
なんの前情報も無く手に取ったので、普通の学園ものかと思い読み進めました。
すると……一見普通に学園ラブコメが進んでいくのですが、何かがおかしいんですよね。
でもそこかしこに「この学校は普通ではない」という違和感が仕込まれていているというか。この辺伏線の張り方が本当に上手い。
そして中盤あたりからクラスの仕組みが明らかになると物語は加速。
一番下のDクラスからAクラスへと上がるべく、綾小路たちの奮闘が始まります。
果たして人間の価値は何で決まるのか?勉強、スポーツ、それとも……
一見ただの萌えラノベに見えますが、道徳・哲学的に凄く難しいテーマを上手く描いていると思いました。
綾小路や堀北たちがいかにしてこの苦境を乗り越えるのか、目が離せない作品です!
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