007. 藍色のくせに

透き通った青を独り占めしたい


この綺麗な青をわたしだけのものにしたい

不穏な藍色から抜け出したばかりの

健全な白に近づいた

透き通った青を独り占めしたい




わたしの透き通った青に気づいた夏

気づいてしまった夏


周りを埋める煙が

わたしの青を撫でて

誘惑し頬をかすめる


許せないわたしの青を

かすめとろうとしていく人たち


わたしの青を知っているくせに

わたしの青で遊ぶだけのくせに


こんな世界で生きていたのかと

不穏な藍色を見渡す


見えないフリも聞こえないフリもできない




藍色の前で目を細めて

それでも四肢の根っこは

健全な白に近づいた

曇りのないわたしのままでありたい

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ビヨンド・ポエトリー 庵庫ぱんこ @ankopanko

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