4 まとめ

繰り返しになりますが、

技術革新によって変化する経済・社会活動を健全に保ち続けるため、

政策の重点もまた変わってきました。


まずは、富の生産を増やして守る技術的政策。

世界史の参考書にある、国家の起源に関する学説にもあるように、

灌漑かんがい水路を築いて収穫を増やそう、軍隊を作って穀倉を守ろうというのは、

大昔の時代において、まず必要となる政策だったと思います。


次は、増えた富を適切に配分して、さらなる繁栄を得る経済・社会政策。

多くの税金を集めて使い、困っている人々を助けたり、

次世代産業を育てたりというのは、

より技術が進み、豊かになった社会でないと難しい。


その次は、さらに進んだ技術を用いて、

人道的な資質向上を図る人的資源政策です。

文明が発展していく中で、人間自身が衰えていってしまったら、

どんなに富を作って分けても、楽しめないし、まかなえないからです。


今では生活が向上し、大勢が一緒に物事を考えられるようになる一方、

大勢が皆で考えるべき、大きな自然・社会的な問題も見えてきました。

他方で、少子高齢化からくる経年・経代的な健康水準の低下や、

人間にしかできなかった仕事も行えるAIの出現により、

人々自身のあり方も問われるようになっています。


人間誰しも、自分達の能力が落ちたとか、

ついていけなくなっていると認めるのは嫌なものだし、

自分達以外の人々だけを悪者にするようなこともあったので、

これまでは政策課題にしづらかった。


しかし今では、昔なら戦争や災害、疫病、貧困があると助けきれなかった、

私のような虚弱者や、誰しもどこかが弱る高齢者などにつき、

より大勢を助けることができるようになってきた。


人々の能力自体を医療や教育で向上させて支援し、

より複雑加速化した社会活動の担い手になってもらうことが、

技術的に可能になりつつあり、政策的にも求められる。

( ↑ ここらへん自分の近未来にも関わるので必死[笑])


それができたら、さらにその次は、

一緒に協力できるようになった人々みんなが参加して、

どんな政策を考え、どう行っていくかという行政管理政策。


技術を活かして富を増やし、社会が豊かになったら富を分け、

それを維持できる人材も確保できるとなったら、

最後の課題は、それらの政策をバランス良く実施できる態勢づくり、

総合調整の政策になると思います。


そうした行政管理政策の中では、

より多くの人々による(民主化や官民協働)、

より多くの人々のための(全地球化や政策間連携)、

より高度な(価値多様化やAI導入への対応)政策へという変化の中で、

最大限に人間を活用し、最も人類文明の発展が図れるような政策を、

立案・実施していけるかが問われていくのではないでしょうか。


農業段階の技術革新・社会変化・政策変更、

工業段階のそれら、そして情報段階のそれら……と、

やはり政策も難易度に応じて、必要な段階ステップを踏みながら、

文明発展の循環サイクルを重ねていくほど、

循環サイクルの後の方まで考えられるようになっていくようです。


新しい技術と政策によって、

人類文明がこれからも発展し続けられるよう、願っています。


こうした流れは、自作小説『Lucifer(ルシファー)』シリーズ を

書く中で考えつきました。

よろしれば、お読みいただけましたら幸いです。

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文明の潮流(トレンド) 平 一 @tairahajime

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