ちょっと残酷で、ちょっと可愛らしい

「猫を種から育てるには。」作者レビューコメントで作品を開く。冒頭の「猫を育てるには二通りあります……自分で種から育てることです」で口元が緩む。奇想天外な展開になるのかと思いきや、非常に丁寧に猫の「特別な」育て方が示されていく。実から猫に一斉に変化していく様相は、ほっこり愛らしく感じられた。
そして最後の、「種」の正体が明らかになったとき、誰しも生命の神秘に唸らざるを得ないだろう……。