そして再びメリークリスマス


「天音~~美味しい?」


「うん美味しいよ朋ちゃん」


 僕と天音はいつもも様に夕飯を食べている、今日はクリームシチューとカーリックパン、クリームシチューは市販の奴だけど、鶏肉と野菜をふんだんに使っている。


「明日は残りをカレーにするから~~」


「えーーー太っちゃうよ~~」


「天音はもっと太った方が可愛いよ、いや痩せてても可愛いけど」


「え~~~ブクブクになっても?」


「そうしたら僕も太ってブクブク兄妹になっちゃえばいいよ」


「似た者同兄妹だもんね~~~」


「ね~~~~」


そう……僕と天音は、今付き合っていない、仲の良い兄妹でいようねと言うことを、言った事を守っている、お互いそうしようと決めた。



「じゃあ、いつも通り片付けお願いしていい?」


「はーーーーーい、お兄ちゃんお休み、また明日ね」


「うん……また、明日、お休み天音」




僕はそう言って部屋に戻る、部屋に入ればいつも通り、PCの電源を入れパソコン起動、そしてネトゲ、MMORPGアートオブドラゴニアを立ち上げる。


キャラクタールナツーをいつもの場所に歩かせて行き、いつもの木のしたで待機させる。


暫くすると、友達の欄にリンの名前が


来る方向は決まっている、そちらを向くと遠くから走ってくるキャラクターが


『こん~~~ルナ、待った?』


『こん~~~リン、今来たところ~~~~』


『えへへへへへへへ、なんか恋人同士みたい~~♡』


『何言ってるんだよ~~みたいじゃなくて~~恋人だろ~~~~♡』


『えへへへ、わかってるよ~~ルナに恋人だって言って欲しくて言ってみただけ』


『もうリンは~~~』


『えへへへへへ』


お互いハートのモーションを出しながらいつもの甘いトーク、僕とリンは正式に付き合う事にした、ネトゲで


 隣にいるのになぜそんな事をしたかと言うと、親には言ってないし、来年天音が同じ高校入る事にするって言うので、高校で一緒に暮らしてるのに恋人ってバレたらまずくない? とか、まあ色々、それと……一つ大きな問題があって……




まあ、それとは別にして、ようするに一番は…………両方楽しめるから♡



だって付き合ったら恋人じゃん、兄妹じゃなくなるじゃん


だから暫く兄妹でいようって二人で決めた。


兄妹っていいよね、僕も天音も一人っ子だったから前から兄妹が欲しかった。


お兄ちゃんと甘えてくれる妹、可愛い妹、いいよね~~妹、いや妹最高


天音とは妹として付き合う事にした、でも恋人としても付き合いた、だからネトゲの中では恋人に


天音は妹に、リンは恋人になった。




『リン~~今日はどこへ行く~~』


『ルナと一緒ならどこでもいいよ~~』


『じゃあ今日は海の見える所でおしゃべりしようか~~』


『えへへへへへ、また寝れなくなっちゃうよ』


『夏休みなんだからいいだろ~~』


『でもルナ明日妹さんとお買い物でしょ?』


『そうなんだよ~~もう世話のかかる妹でさ~~w』


『そう言って大好きな癖に~~ww』


『あ、バレた? 実は明日楽しみで』


『もう妬けちゃうな~~~ww』


『大丈夫、妹も好きだけどリンも大好きだから』


『私も~~~~ルナ愛してる~~~』



 明日妹と一緒に出かける……、出かける先は銀座、銀座でお買い物


 ただ二人でではない、義母さんと一緒に3人で……


 3人で着物でお買い物、義母さんの夢だったらしい……


 そう……、義母さんあれ以来僕を息子ではなく……娘として扱うように


 天音と兄妹でいる理由は、これが一番大きい、義母さんの夢が……


 本当、天音も着るんだから僕はいいでしょって言ったんだけど、足りないって


 全くいとこの美智瑠が着物を着るって持って帰ったんだから、美智瑠に着せればいいだろ


 いつか美智瑠が着物を着て、義母さんが満足すれば、僕は天音と……



でも、今はまだいい、だって……恋人で、兄妹で、姉妹なんて、そんなのそんなのって



スッゴクたのしい、天音とリンと出会えて良かった。



大好きだよ、天音、愛してるよ、リン





♡♡♡





 

 私達の思い出をずっとずっと語り合った……ネトゲで3年、出会って2年、恋人同士になって4ヶ月……。



 長くて身近い私達の不思議な関係……。


 リアルでの出会い、兄妹としての出会いは酷い物だった。


 お互いのトラウマを言い合う最悪な第一印象、その後約1年にも渡って続いた最悪な関係。


 対してネットでは運命の出会い、理想の相手とお互い思う最高の関係。


 そして今は、兄妹でネトゲ仲間で恋人同士、そして今は女の子同士。


 この状況を百合カップルと言うとウキーーってなる人がいるけど、でも……今私は女の子……。


 女の子同士で仲良くベットで横たわっているだけ……いるだけ…………。



 そ、そんなわけあるかあああああああ!



 もうね、もうムラムラしてるんだよ! クリスマスだよ! 二人きりでホテルの一室だよ! 高校生の男だよ! 女の子の格好してるけど、ついてるんだよ!


 何がとか聞くな!


 隣には大大大大、大の22乗個、星の数よりも好きな女の子が愛しい人が隣で寝ているんだよ!


 私は……いや、僕は天音の手を強く握った……さっきはああ言ったけど、なんかもうずっと前……1年位経ってる気がしているから無効で良いよね?


「天音……」


 もうこのまま……天音の全てを……さっき天音が言ったクリスマスプレゼントを貰いたい……いや、貰う!


 そう決心をして僕はゆっくりと天井から天音に視線を向けた。 


「すーーっすーーっ、朋ちゃん……ブラ可愛い……むにゃ」


「あううう、寝てるうううううううう」

 そして何故ブラ? し、してないぞ!


 すやすやと安心しきって寝ている天音を見て……出会った頃には考えられないこの状況になんだか僕は笑ってしまう。


「ふふ……でも……女の子だからなんだよなあ……」

 今でも僕が男の格好をすると天音は途端に怯えてしまう。毒舌は出なくなったけど、それでも男の格好、特に制服姿で近寄ると天音は震えてしまう時がある。


 フラッシュバックという心理現象、ストーカーされた時の事をその恐怖を思い出してしまうんだ……。


 だから僕は極力天音の前では女の子になる……姿だけではない、仕草も考えも出来るだけ女の子に近付ける。女みたいな容姿があれだけ嫌だったのに、天音の為なら……なんでも出来てしまう。


「そうだよね……ごめんね……」

 天音は僕を信用している……女の子になっている僕を……。


 出会って3年とはいえ、それはネットの中での話……僕達のリアルはまだ始まったばかりだ。ここで焦ったら天音は二度と男を、僕を受け入れなくなるかも知れない。


 恋人でいる前に僕は天音の兄だ、家族だ。


 だから今はこれだけで我慢しよう……。


 寝ている天音、その美しく可愛い寝顔に僕はゆっくりと自分の顔を近づけ、ピンクで柔らかい唇に僕は……そっとキスをした。


「お休み天音……メリークリスマス……」


 私はそう言って天音に寄り添い手を握ったまま目を瞑った……。





 










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義理の妹が彼氏の僕を女装させイチャイチャしてくる。 新名天生 @Niinaamesyou

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