第1話

「こんにちは、青井潤さん。私は貴方を導く天使、リェールです。」

「…はい??」


金髪にピンクのアシメが入った、ゆるふわボブ。それに映える輝く赤い目。レースをあしらったワンピース。そして大きく真っ白な翼。

可愛らしいと言うのが第一印象の少女。


そして、青空と雲が映っている鏡の床に、ポツンと置かれた硝子の椅子二つ。

幻想的で摩訶不思議な空間だ。


…あれ?今この子天使って言ってたよね??


「あの…天使って…」 

「はい、そうです。天使のリェール・ガブです。」 


「あれ?お尻に敷いてる真っ黒い雑誌は何ですか?えっと…堕天使n…」

「なっあっ、何でもないです!!あの!!本題に戻します!!」

おいおい、堕天に憧れてるのか?大丈夫なのか?


リェールさんがコホンと咳ばらいをする。

「潤さん、貴方にはこの世界を調律できる、強大な力があります。宜しければ、私達の国を救って頂けますか?」

「…マジですか」


なんかゲームやラノベの世界みたいだ。

俺が勇者になる訳か。魔法とか使っちゃうのか?


それにしても潤さんって呼んでくれた。女子となんて話したこと無い上に名前呼びは相当嬉しい。


「あ!救うって何をすれば良いんですか?というか何があったんです?」

「そうですね…。私達の国には女王様がいらっしゃったのですが、死霊魔術師ネクロマンサー達によってさらわれてしまい、消息が不明なのです。なので、希望される方を私達の国に招いて助けてもらおうと。」


一大事じゃねーか。


「ちなみに調律師チューナーって凄いんですよ!この世界では初めての職業なんです!!」


「じゃあ調律師チューナーになります!」

「ありがとうございます!!それでは転生させますね。」


青空から一筋の光が注いできた。

そして何もなかった所から水晶の扉が現れた。


「天よ地よ、盟約に従い、リェールの身体の下に魔力を宿せ!!」


リェールさんが呪文を唱えると、扉にネオンピンクの魔方陣が現れた。

そしてどこからか甘い匂いの風が吹いてきた。


「この扉は貴方自信で開けてください。きっと良い街へ行けますよ。」


そしてリェールさんは少し笑みを浮かべながら言った。

「私からささやかながらおまじないを。『エンジェリック・フォーチュン』」


身体の周りにピンクの星が舞い、キラキラと光った。


「ありがとうございました!」


扉を開ける。光が俺を包み込む。

ここから俺の冒険が始まった。

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こんにちは、調律師《チューナー》です。使えないですが宜しくです。 如月綾紗 @elice-alice

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