第2話説得出来なかった



「あぶなかった!一瞬死んだかと思った・・・でも、そんな危機をゲームに救われた。やはりゲームは僕の全てだ。ありがとう」


俺は壊れたゲームを抱きしめたながら言った・・・



暫くすると、さっきの空間とは違う、もっと優しい感じのまさに天国を絵に書いた所に着いた。


・・・うわぁーこんなところあるんだ。すごい白い蝶々が沢山いるよ。


「・・・ここに来る事が出来るたということは、貴方様は余程現世で善行を尽くしたのですね?」


声のする方を見ると、さっきの神様とは違った・・・そうまさに女神が美しい羽を羽ばたかせながら、こちらにやって来た。


「あっあの、貴方は?」


「ふふ、そんなに緊張しなくていいですよ・・・私は異世界にのことについの説明兼、特典を与える役の神です」


・・・きたーーー!これだよ、これ!やっぱり、こうでなくちゃいけない。


「では早速説明させて頂きます。まず、貴方様が行く世界は文字通りファンダジーの世界。例を挙げれば魔法、エルフ、魔物などです。ここまではいいですか?」


こくんっ。


「ふふ、では続けます。貴方様にはその世界に行って貰います。といっても、何かを強制するつもりはありません。この転生は現世で頑張った貴方様への、一種のご褒美ですから」


・・・なんか、悪いな。さっきの神様と違って、良い神ぽいし。騙してるみたいだ・・・本当の事言うか。そもそも、そんなに転生したかったわけじゃない。あの神に一泡吹かせたかっただけだもんな・・・


「あっあの~実は僕、無理矢理ここに来たんです。だからその、善行をした訳じゃないんです」



・・・ふっ、終わったな。まぁーいいや。結構スリルが有って、楽しかったし。文字通り、冥土の土産か・・・


さぞかし怒ってるいるであろう、顔を恐る恐る見た。すると、怒るどころか、泣いていた。


「えっ・・・なんで泣いてるんですか?僕善行せずにここに来たんですよ?」


再び同じことを言うと、今度は涙を拭きながら、笑顔になった。


「・・・長年、この役割りをやっていますが、貴方様のような謙虚な方は初めてです。人間どんなに、鍛練しても、虚栄心というのは克服出来ないものですから・・・なのに、貴方様は自分の善行に奢ることなく、逆に引いたのです。それに私は感激したのです」



・・・What?いや、何言っての?もしかして俺勘違いされてる?いや、もしかしなくてもそうだな。このままでは、本当に転生させられそうだな。今までは感情が勝手しまい、理性で考えなかったけど、良く良く考えたら、絶対に異世界って面倒くさいよな。それ以前にゲームがない。俺は断言する、絶対にゲームの無い世界では生きないっと。


「あっあの!違うです!本当に僕は何もしてないんです!だから、天国に送ってください!」


「・・・もう止めて下さい。涙が止まらなくなります」


「いや、だから!」


「はい、わかりました。そういうことにしておきます・・・それで、どんな特典をお望みですか?」


駄目だ、全然話しを聞いてない・・・そうだ!何も要らないって言ったらどうだろう?そんなことを言ったら、僕に愛想を尽かすに違いない。我ながら、名案だ!


「・・・何も要りません」


案の定、これ以上ない位、驚いたようだ。少し意地が悪いかもしれないけど、許してね。ゲームの無い世界には行きたくないんだよ。


「んっ、んっ」


「・・・え?なんで泣いてるの?まさか俺が意地悪したから?だったら、ごめん謝るよ!この通り!」


彼女に俺は得意のどけ座をした。すると逆に彼女はもっと泣き出してしまった。


・・・Why ?


「・・・いっいえ違うです。これは自分に対して泣いているのです・・・正直、私は疑っていました。どんなに謙虚でも、欲には勝てないと。きっともの凄い能力を要求してくるんだろうと思ってました。しかし貴方様は何も要らないと仰有った。悲しいのです。貴方様のような完璧な人を疑ってしまった、自分の未熟さが。ところが、貴方様はそれを責めずに、逆に謝ってこられました・・・もう私は穴があったら、永久に潜っていたい気分です」


What's going on?えっ何?状況悪化しちゃてる?なんで?何を間違えてこうなったんだ・・・えぇーい、こうなったら、実力行使!逃げてやるぜ!


俺は隙を突いて逃げ出した。


・・・ふっ、隠していたが、俺は逃げ足には自信があるぜ!なにせ、借金取りからいつも逃げてたからな!


「・・・どこに行かれるのですか?」


「うわぁーー!」


・・・と思ったが、相手が神であることを忘れていた。一瞬で、目の前に瞬間移動してきた。


「いや、その~~~やっぱり、転生はいいかな~~なんて思ったりして?」


「はぁ~~~貴方様はどこまで欲がないんですか?・・・いいでしょう。私が特典して、付いていきます。そうすれば、色々お助け出来ると思うので」


「え・・・・あの、無理しなくていいよ」


「いえ、したいのです。貴方様に会ったことで、己の未熟さを痛感したのです。貴方様に付き従うことで、それを改善したいと思います・・・さぁー、特典も決まったことですし、転生しましょう♥」


「ちょ、ちょっと待って!人の話しを・・・うわぁーーーーー!」


結局、俺は女神を説得出来ずに、転生をしてしまった。












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女神を説得出来ずに、異世界に転生してしまった。 book @217p101

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