女神を説得出来ずに、異世界に転生してしまった。

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第1話オタク日の最後




・・・ふふふ。やったぞ、やっと、前から気になってたギャルゲーを買うことが出来たぞ!


僕はゲームショップの帰り道、大きくガッツボーズをした。


「ママー、あのおじさんとってもくちゃーい!」


「しっ!気にしちゃいけません。バイ菌が移らない内に、行くわよ!」


親子らしきものが、こっちを侮蔑の目で見ながら、逃げていった。


・・・そう言えば、一週間ぐらい風呂に入ってなかったけ?まぁーいいや。それより、帰ってこの新作をプレイしなくちゃ!まってろよ、僕のヒロイン達!・・・



自宅に向かう途中、様々な人に嫌な目で見られたが、僕は一向に気にしない。なぜなら、僕にはゲームが有る。ゲームは良い。現実と違って、こんな何も取得がない俺でも受けいれ、癒してくれる。そんな世界があるのに、なぜリアルの戯言に、耳を傾けなくてはならないのか?いや、その必要はない!


もちろん自分の生き方が、すこぶる特殊なのはわかってる。そのせいで、僕は24になってこれまで、友達も、学歴も、大金も、もちろん恋人も得たことがないのだ。そう言うなれば、僕の人生は詰んでるのだ。そう気づいた日から、僕は何事もゲームの世界に逃避していた。


「って、俺は誰に話してるんだか・・・」


「なにごちゃごちゃ言ってるんだよ!くせーんだよ、この豚!」


「わーー!」


電車を待っている最中、後ろに居た男性に蹴られてしまい、その反動で手に持ってたゲームを線路に落としてしまった。


「あああああああああーーーーーー!ごめんよ、僕のヒロイン!今助けに行くからね!」


俺はすぐに線路に飛び降りて、ゲームを拾った。


「あぁー大丈夫かい?ごめんね。君を離してしまって。でも、もう大丈夫。絶対に離さないから」


そう言って、目を閉じ服の中に入れ抱きしめた。


ゴロン、ガタン!


・・・うるさいな。僕とヒロインの邪魔をするな!


音のする方を睨みつけると・・・・・・電車だった。


「へっ?」


それ以降は何も覚えていなかった・・・・











「ちょっと、目を覚ましなさいよ!この豚!」


バシッ!


「ぐほっ!」


いきなり何かが、腹を直撃したので、俺はだらしない声を出した。


「やっと、目を覚ましたわね。早く立ちなさい。あんたみたいの相手するの、ほんとーーーーに嫌なんだから」


何がなんだかわからないが、とりあえず腹をさすりながら、立った。そして僕を蹴った張本人は、キツい顔をして女だった。


「手短に言うわよ。まず、私はあんたの世界の神。それで、あんたは本来死ぬはずがない歳で死んでしまった。ここまではいい?」


「!!!もしかしたら、そんな僕のことを哀れんで、異世界に転生されてくれるんですか!」


もしそうだとしたら、最高だ!なぜなら、ゲームでよくあるパターンだと、その際とんでもない特典を貰うことが出来る。そしてそれを駆使して、俺Tueeeになり、美女のハーレムを作ることが出来るからだ。




・・・しかし神様の答えは冷淡だった。


「はぁ?何言ってんの?そんなわけないでしょ。調子にのるな!」


「でっでも、この前のゲームでは・・・」


「・・・あのね、そもそも転生なんて、よっぽど善行を積まなきゃ無理よ。ましてや、あんたはオタク。それも何も取得がない。私から言わせれば、ゴミと相違ないわ」


「!!!・・・神様がそんなこと言っていいんですか!」


「いいのよ。だって、神だもん。それに私はね、イケメンが好きなのよ!今だって、貴重なイケメンのイチャイチャする時間を割いて、不細工なあんたの相手をしてるわけ!」


なんなんだ、そんなのが認められていいのか?


「ふぅーー・・・それで、話に戻るけど、あんたを呼び寄せたのは、単に来世の希望を聞くためね。あっ、でも勘違いしないでね。私、あんたみたいなオタクの要望なんか聞く気はないから。仕事のマニュアルに載ってるから、仕方なく聞くだけよ!」


・・・最早なにを言っていいのか、わからない。


「・・・ちなみに、僕を蹴り飛ばした男はどうなるんですか?」


「彼?本当なら、地獄に行かなきゃいけないんだけど、イケメンだから、私のハーレムに加えるわ。もちろんハーレムに加わるからには、豪奢な生活を約束するつもりよ」


「そっそんな勝手が許されるんですか?」


「いけないけど・・・しょうがないでしょ?イケメンなんだもん!」



はぁはあ・・・なんだ、それ?イケメンだったら、何してもいいのか?オタクだったら、どんなことされても、黙って我慢しなきゃいけなのか・・・・・・・・・・・ぶざけるな!そんなこと許されていいはずがない!


でも、どうしょうもない。相手は神だ。部が悪すぎる。



溢れる涙を拭きながら、諦めかけてたその時、不思議な光を放つパワースポットみたいのを発見した。


「あっあの~~、あれは何ですか?」


僕がパワースポットに指を向けると、さっきまで傲慢だった顔が歪んだ。


「あれは・・・何でもないわよ!そんなことより、さっさと、要望言いなさい!この豚!」


なんでそんなに慌てるんだ?・・・まさか、あれが異世界へのゲートだったりして。そうだとしたら、あの狼狽振りも頷ける・・・賭けてみるか。今まで本気なんて出したことなかった。けど、このままじゃ唯死ぬだけだ。最後位本気になっても、誰も笑わないだろう・・・


「何ごちゃごちゃ言ってるのよ!さっさと言って、ここから出で行け!」


それにこの理不尽幅な神様に、一泡吹かせたいしな・・・



「願いを言う前に、現世へのしがらみを無くしたいので、祈る時間をくれませんか?それも一人で」


「・・・まぁーいいわ。その代わり、私はここに居るわ。後ろを向いてれば、構わないでしょ」


そう言って、神様は後ろを向いた。


・・・少し予定が狂ったけど、いいや。駄目で元々。


俺はばれないように、少しずつパワースポットに近づいた。


「まだーー!」


「すいません。なにせやり残してきたことが、多いもので」


「オタクなんだから当たり前でしょ。早くしなさい」


ソロリ、ソロリ



流れ出る汗を拭きながら、俺は着実に近づき・・・遂に後一歩の所まできた。


「ちょっと、いつまでかかっ・・・って、あんた何してるのよ!」


不味いばれた!俺は形振り構わず、ダイビングするように、パワースポットに入ろうとした・・・


「くっ、させないわ!」


・・・ところが、神様は不思議な光を矢を放って・・・僕の胸に刺さって、パワースポットの目前で落ちてしまった。




「要望聞く前に、天国行っちゃたけど、仕方ないわよね?あんたが転生マシーンに近づこうとするからよ・・・といっても、聞いてないか」


私はオタクの胸に矢が刺さってるのを確認して、その場を後にしようとした。


「たくっ、あのゴミ誰が処理するのよ・・・」



不満を言いながら、転移の魔法で移動しようとした・・・・・その時、



「その必要はないよ!なぜなら、僕は生きてるから!」


「!!!!」


死んでたはずのオタクは、何故か生きており、パワースポットに入って居た。


「この!!」


再び光を矢を出したが、パワースポットの力に阻まれてしまった。


「くそくそくそくそ、なんであんた生きてんのよ!矢が刺さってるじゃない!」


オタクはにやりと笑いながら、刺さってるはずの矢を抜き、刺さってた個所から何かを取り出した・・・それはゲームだった。それを矢のせいで、ボロボロになった。


「わかったか!オタクを馬鹿にすると、こうなるんだよ!覚えとけ、この悪魔!」


そう言った瞬間、彼は消えてしまった。




「・・・いったいどうするのよ?異世界には、私達神でも、手が出せない。あんなオタクなんががいったら、どうなるかわかったもんじゃないわ・・・こうなったら、案内人のあの子に任せるしかないわ。あの子なら、オタクが転生するのに、ふさわしくない奴だと看破出来るはずよ」


そう言い聞かせて、その場を離れたを・































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