手付き、手ほどき、夜の第三皇子は女に優しい。しかし昼は苛烈そのもの。人を寄せ付けず、戦では返り血を全身に浴び、ただの一つも傷つかず。この作品における紅とは、血潮であり、紅葉であり、運命であり、恋である。自由になるものなどない。それでももがくように、紅に手を触れてみたくなる。