不思議な夏休み
くろむっしゅ
第1話 〜都会っ子田舎へ〜
二羽の兎は走って逃げる。
もう、あの場所には戻りたくない。
しかし、結果的に逃げられたのは一羽だけだった。
捕まった兎は願う、『白兎だけは、幸せになってくれ』と
逃げた兎は願う、『絶対に、ここに戻って黒兎を助け出す』と
黒兎と白兎の願いは叶えられることは無かった。
黒兎は白兎を逃がした罰として、耳を切られその後死んだ。
白兎は黒兎を助けられなかった悲しみから心を病み、孤独に死んでいった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私の住む東京から新幹線と電車乗り継いで4時間くらいたったのかな。
周りに見えるのは木ばっかり。
「夏休みの間に見たかったアニメあったのにな...」
そう呟くのは私、涼子です。
なんでこうなったかと言うと私のお母さんがこう言ったからだ
『あんた、夏休みの間暇でしょ?だったら私の妹子供の玲君と憐ちゃんの面倒見てやってよ』
私はてっきり1日とか2日のものかと思ってたのに頼まれたのはまさかの夏休みの間ずっとだった。
お母さんの妹さんは有名な学者らしく、研究結果の発表や講習をするために外国を転々としなければならないらしい。
って私は誰に向けて話してるんだか。
そろそろスマホの充電がやばい。
「夏休み中ずっととかしんどいな...」
そんなことを考えていると目的の駅に着いた。
駅を出ると広がっていたのは広い田んぼと木造の家、田んぼのあいだを流れる小川で遊ぶ子供たちだった。
「うわぁ...」
思わず声がこぼれる。
東京みたいな高層ビルもなければ車は一切通っていない。
「「涼子お姉ちゃんですか?」」
ピッタリとハモった声で声をかけられ服の裾をクイッと引っ張られた。
振り返るとそっくりな顔が2つ並んでこちらを見上げていた。
「もしかして君たちが玲君と憐ちゃん?」
そうゆうと、うんと声を揃えて頷いた
2人の服装は無地Tシャツにジーンズの短パンだった。
髪型は2人とも耳たぶ当たりまで伸ばしていた。
そっくり過ぎて見分けがつかないけど少し日に焼けていておでこに絆創膏を貼ってるのが玲君で色白でか細い感じの方が憐ちゃんかな?
「一応名前だけ聞いてもいい?そっくりでどっちがどっちがわかんないんだ」
「いいよー、俺が双子の妹で大橋憐だよ!」
俺、と言いながら1番に返事をしたのは絆創膏を付けていた方だった。あれ、逆?
「僕が双子の兄の大橋玲です...」
僕、と言いながら遅れて返事をしたのは色白な方だった。
男の娘ショタの玲くんとボーイッシュ少女憐ちゃん...これは楽しい夏休みになりそう。
「どーしたのお姉ちゃん、ニヤニヤしちゃって」
「お姉ちゃん、なんか怖いよ…」
やっば、顔に出てたみたい
「ふ、二人が私のお迎えしてくれてうれしいなって思っただけだよ?」
ふぅんと、憐ちゃんがにやりと笑う。
「こんなところで話すのも暑いから家に行こうよ…」
なぜか少し残念そうにしながら憐ちゃんは玲くんのあとを歩く。
二人のあとを歩いて15分ほどの所に家はあった。
町、とゆうより村と言う呼称がふさわしい。
道はアスファルトで舗装されていない、砂の道。
村の周りは木で囲まれている。
電車以外では古くて少し危ない道を使わないといけない。
私、こんなところで夏休み過ごせるかなぁ
不思議な夏休み くろむっしゅ @ruisu924
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。不思議な夏休みの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます