第3話 異能がないのに検査はつらいです

2時間目が終わった時...それはやってきた...。

「それじゃあ異能検査やるから廊下に並べー」

担任がテキパキと指示を送る中、俺は1人冷や汗をかきつづけていた。

(まずいまずいまずい!異能がないのに検査ってどういう理屈だよ!?尿が出ないのに尿検査するようなもんだぞ!?)※お食事中の方すみません。

「異能の使い道ねぇ...俺はもの運ぶだけだってばよ」雄介よ、お前いつから忍者になった。

「ま、まぁ...そのうち使い道も増えるだろ..」友達との会話でこれほど焦る時が来るとは...

そして瞬く間に検査は進み、いよいよ俺の番だ...(どうする井納!異能力消えちゃいました☆とでも言うのか!?仕方ない、小声で正直に話そう)

「先生、実は朝から異能が使えなくなったんですけど...」俺は周りに聞こえないようにこっそり伝える。

「時間ないしつまんないからやめとけ」

「いやここで嘘はつかねぇよ!」しまった、大声を出したせいでざわつき始めた...

「保健室では静かにしろー」担任ナイス!静まり返ったぜ...

「えーっと?君の能力は<物体浮遊>だっけ?」

「はい、朝から使えないんです」

保健室の先生は「ふーむ」といいながらしばし悩み始める

「じゃあ放課後また来て」

「わ、わかりました...」そして無事に放課後を迎え...

「先生ー...井納ですけどー」

「あー、ポンコツか」

誰がポンコツだ。この際つっこむとややこしくなりそうだから無視するが.....覚えとけ

「それで、来ましたけど何するんですか?」

「まぁ、まずは話を聞こうと思ってな...」なるほど、確かに情報もなしに解決策など生まれるはずがない。

「いや、話っていっても朝起きたら使えなくなってた、くらいしか...」

「まじでポンコツじゃん」

「あんた教師の癖に生徒をポンコツ呼ばわりするんじゃねぇよ!」まったく、仕方ないだろ。ほんとに朝起きたら使えねぇんだから...

「まぁ、原因はわからんが事情は分かった。原因と解決策が見つかるまで他言禁止で頼む」

「わかりました」俺も異能力がないなんて言いたくねぇしな。政府に人体実験でもされそうだ...。

「ちなみに言っておくが、異能力が消えるなんてことはない。元の異能力が目覚めたか、あるいは異能力が変化したかだ」

「そんなことあるんですか?」異能力が変わるって...聞いたことないぞ..。

「希に存在する。もともと他人に変身する能力が、他人を変身させる能力に変わった奴がいた。」なにそれ、SSレアじゃん。欲しいわその能力。

「なるほど、とりあえず理解しました」

「よく理解できたな」

イラッ。イヤミで返してやろうか

「先生の男口調と毒舌が治れば結婚出来るかもしれませんね。それでは」そう、男だと思った?残念!女性でした!

「あ?私はまだ28だぞ!おい!逃げるな!」

先生の叫びがドア越しに聞こえるが無視して帰る


さてと、解決策を考えねば

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

井納の異能も昨日まで...!? @yumemenma

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ