第12話 三日目 朝
《……プレイヤーの皆さんは広場に……》
うるさいほどのサイレンに起こされたのはこれで三度目だ。僕はベッドから体を起こした。日は既に登っている、今生きてるって事は僕は人狼に襲われなかったという事だ、今回は……。
僕は着替えて広場へと向かった。既に何人かは集まっていた。その中には荒井も神川もいた。喋るものは誰もいなかった。
「おはよう」
「あ、ウェルナー君おはよ……」
新嶋が挨拶を返してくれた。どこか、いや明らかに元気がない。
「?、なにかあった?」
「それは皆集まってから話すよ、ウェルナー君」
「あ、了解」
荒井に言われ、僕は皆が集まるのを待った。
しばらくたち、ほとんどのプレイヤーが集まった。
「一部の人は知ってると思うけど、昨日の襲撃は雷ヶ浜さんみたい。遺体はまた男子達でお願い」
僕には驚きだった。確かに雷ヶ浜は人狼ゲームは詳しい。いつ襲われてもおかしくはなかった。だが……。荒井が言った。
「じゃあ、占いは合図を送るから一斉に言って。……せーのッ‼」
この合図に合わせて自称占い師の二人が言った。
「荒井、白」
「桜田さん、黒」
この広場に大きな動揺が走った瞬間だった。当然一番驚いたのは桜田自身だった。
「え⁉ちょっと待って⁉え⁉」
あまりに突然の出来事に情報処理が回ってないようだ。
「待って⁉私市民だよ‼黒ってでないし‼、新嶋さん‼あなた偽者でしょ‼」
「だって、そう出たんだから……」
新嶋はうつむきながら言う。
「……でも、私を占うなんて理由あったの?中村君」
荒井の質問に彼は答えた。
「ああ、進行が黒なんてはめになったら勝ち目ないからな、確定市民を作るために荒井を占うしかなかった」
「……まあ、いいわ。でもこれで私が真であることはわかったでしょ?」
「ああ、よかったよ、これで」
占いの結果により天国と地獄の差が生まれた。そう感じた。
「荒井、俺はウェルナーと共に遺体を確認したい。離れてもいいか?」
神川が言った。遺体になれているのは神川と僕だけだろう。
「まって、二人じゃなくてもう一人指名するわ……脇部君頼める?」
「う、まじか……了解」
荒井に指名された脇部は嫌々ながらも了解してくれた。
「じゃ、行くぞ」
「「了解」」
僕たちは遺体化した雷ヶ浜の小屋へと向かった。
人狼ゲーム~The detective of blood~ リヴォラ @Rivora
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