主人公のアナは侯爵令嬢なのですが、家は領地経営に失敗し借金の山、侯爵である父親はアトリエにこもり働かず、挙句の果てに銀行からも融資を断られてしまいます。
そこへ、金持ちと結婚して資金援助してもらったら? とのアドバイスを受けます。
普通なら、容姿端麗スタイル抜群な侯爵家のお嬢様が、お金目当てに泣く泣く身売りのように結婚して、Hなことをされまくるって内容になるのでしょうが、この作品はそうではありません!
Hはありません。(少なくとも十五条までは……)
アナは『ある証言』をきっかけに契約結婚を思いつきます。
夜の暗い路地に待ち伏せて、裕福な侯爵家の長男ジェレミーに、結婚と資金援助を引き換えにした『ある契約』を持ちかけるのでした。
――これだけでも面白そうなのですが、この作品のワクワクするところは別にあります。
実は、アナとジェレミーは、契約を持ちかける以前から面識があったのです! でも、アナが男装していたために、ジェレミーはアナであると気付いていないんです。
(しかも、男装しているのに、2人の仲が接近したりして……、キャー!)
そんな面識があるとアナが明かさないままに、ストーリーが進行しちゃうんですよ!
そうなんです! これは事実を隠した『援助契約結婚』なんです!
いつ、バレちゃうのか? ドキドキですよね!
――どうですか? ワクワクしてきませんか?
まだ、私は十五条までしか読んでおりませんので、ここまです。
もう、続きが気になって仕方ありませんよ。
どうぞ、皆さんも、存分に、お楽しみください!
また、『ある証言』と『ある契約』の内容は、ネタバレになると困りますので、ここでは控えさせていただきます。ご了承願います……。
貴族令嬢のアナは、生活のため、金策のために日々東西奔放。
日中は領地を駆けずり回り、家事をこなし、弟妹の生活に目を配る。
夜はお金を稼ぐため、飲み屋でピアノを弾いてわずかなお金を稼ぐのだが……。
そこで目にした騎士に心惹かれるアナ。
そして、騎士もどうやらアナに惹かれている模様……。
ただ。
困ったことに。
夜、騎士の前に姿を現しているのは、変化魔法で『少年』に変装しているアナ(ここではニッキーと名乗っている)だということ。
そしてアナは、この騎士にある提案をするのだけど……。
こちらの作品は、『王国物語』の3作目。
個人的には、このお話が一番大好きですね~。
じれったい展開に何度も「きぃぃぃ。どうなってんの、これ」と思わされたか(笑)
これは貧乏な侯爵家の令嬢アナと、王宮騎士団中佐にして次期侯爵のジェレミーの恋の物語。
が、このジェレミーという男、中々の曲者。女嫌いで偏屈で、むしろ男の方が行けるという変わったお方。今日も飲み屋で今日も飲み屋で酔っ払いに絡まれていたピアノ弾きの少年を助けて、そして口説いています。しかしそのピアノ弾きの少年と言うのが、実は男装して働いているアナなのです。この二人、出会いからして普通じゃないです。
その後色々あって二人は婚約します。ただしアナは自分がピアノ弾きの少年だという事を隠し、ただの貧乏貴族として彼に結婚を申し込んだのです。
しかもその時ジェレミーに言った言葉が「私と結婚すれば良い寄ってくる女もいなくなります。いい虫除けになります。その代わり貧乏な実家に援助してください(違約)」
こんな婚約普通は飲みません。しかし何故か受け入れてしまうのがジェレミー。出会いが普通じゃなければ結婚に至るまでの経緯も普通じゃないですね。
ですがこんな無茶苦茶な経緯にもかかわらず、恋愛描写は非常にキュンとします。
結婚したはいいけれど、夫婦らしい事は何も無い。その代わり飲み屋でピアノ弾きをやっている時は正体を知らない旦那から口説かれ、ドキドキせずにはいられません。
契約から始まった変わった夫婦の物語。様々な困難を乗り越え、二人は本当の意味での夫婦になれるのか?