第2話 さあ、冒険へ

 目を開ける。暗がりの視界の中にうすぼんやりと外の光が混じってくる。秀は立ち上がり、外を見てみる。久しぶりの色づいた景色に日の光が差している。前までの自分ではないかのように、この世界は美しいと感じる。今では、自分を抑えるものは何もなく、息苦しさを感じない。それもこれも力を手に入れたからだ。

 秀は急いで装備を整えて、外へ出る。すると早速、醜いモンスターたちが闊歩している所に出会う。

「こ、殺さないといけないよな。俺には力がある、力があるんだ!!」

 そうして適当な一体のモンスターの体に装備していた刃物を突き刺した。モンスターの体からは赤い血がどくどくと流れ出す。周りのモンスターたちは何やら声を発し叫んでいる。

 なんて簡単なことだったんだ。この世界で無双をするなんて、とても簡単なことだったじゃあないか。今までの俺は無駄に遠慮をして、そのせいで力を発揮することができずにいて、いじめられていたんだ。新しく生まれ変わったこの世界では、もう何も遠慮することはない。そうすれば、周りにいる奴らなんてゴミクズのようにつぶすことができる。まずは手始めに、俺をいじめていた奴らのところへ行き、

俺TUEEE! しに行くか。

 秀は、ふらふらとしながらも歩き始める。手には血にまみれた包丁を持ち、かつて通っていた高校へと向かう。空はとても青く、雲一つない良い天気だ。息苦しさをまったく感じない。これならさっさと外へ出たほうがよかったかなと秀は思った。

 こうして秀の新たな世界での冒険が始まった。

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俺TUEEE! ハムヤク クウ @hamyaku_kuu

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