第1話

ートントン、カラン トントン、カラン今現在の時刻は午前六時。一時間前から平織という織り方していた。他にも綾織という織り方がある。何が違うかというと平織は縦糸と横糸を一本ずつ交互に織っていくのだが綾織は、縦糸と横糸を何本かおきにずらして斜めの織り目を形成する方法なのだ。「うん。まあまあかな。」私は丁度平織が終わったのでそれを区切れとして寝巻から制服に着替え髪を黒紐で結び部屋から出た。 私は、社務所とつながっている廊下を歩き、台所に向った。「おはよう。」 「おはよう。もう少しで朝食できるから座って待っていて。」「うん。あ、何か手伝うことは。」「あ、じゃあ、これを広間に運んでくれるかしら?」「はい。」私は弥生さんから味噌汁ののったお盆を受け取り並べた。すると、私よりも身長が大きく中学生くらいの見た目の男の子で名は、葉月という。「おはよ〜。」「おはよう。」「あら、一人来ていないのね。」「ああ、響ならまた部屋にこもって、何かやってるんじゃない?」「全く。出て来ればいいのにね。」ちなみに響さんという人は、ここ、結泉神社

の神主である人だ。「では、私が朝食を持っていくね。」「じゃあ、お願い。」「別に大丈夫なんじゃない?たぶん、寝ていると思うし、後から来ると思うよ。」「うーん。そうね。そのままにしときましょ。」そうして三人で食べ始めた。「そういえば学校に行くための準備は大丈夫なの?」「うん。昨日揃えたから大丈夫だよ。」「じゃあお弁当を入れるだけね。」「あ、そうでした。」そういってあれこれ準備が終わり外に出た。 ここからの景色はとても良かった。なぜなら少し山の中であるからだ。そうしてバスに乗り、明治に建てられた古くからの学校である、〝清水中学校〟に歩いて向った。 季節は夏なので、日の光が眩しくまた、暑いような気がした。今日は、終業式なので午前中で終わり昼ご飯を食べ、掃除をし下校するだけなのだ。 そして、下校の時間になったので帰ろうとすると、明るくて優しい性格の理穂が、駆け寄って来た。「ねえねえ。二人共、夏休み何か予定ある?」私の隣にいる誰にでも親切でしっかり者の性格の葵は、特に無いと答えたので、私も同じく、無いと答えた。「じゃあさ、海に行かない?」

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あやかし事件と物語 @03rin

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