第24話
「ストライク、どうやって
タカが話を切り出す。僕らに倒されたのがよっぽどショックだったのか、
「自分でプログラムを組んで作ったんだ。IDドレインをさ」
「IDドレイン?」
僕の
「プレイヤーの情報を吸い取るってことだろ?」
「そうだ。簡単に言うと、プレイヤーを殺すアイテムみたいなもんだ。この世界にそのプレイヤーは存在しなくなる。そうすると、はぐれ
「それで、独眼龍を手に入れたのか」
生徒会長が、
ある日、急にこの世界から
生徒会長は、おそらく不正プログラムによるものだと気付いていたのだろう。不正プログラムの存在を知らなかった僕でさえ、急にそんなことになれば
「
「融合アイテムも、自分でプログラムを組んだ。
「それだと、初めはオリジナルの対の灰色ダイヤとかが必要だろ。それはどうしたんだよ?」
「買ったんだよ。ネットオークションで現金と交換して、ヴァースドルを増やしてな。」
「それじゃ、かなりの金額がかかるだろ」
「ああ、それだけで現金二十万以上は使ってる」
僕らはそれを聞いて、言葉を失ってしまった。一つのゲームに二十万もかけられるだろうか。よっぽどビースト・オブ・ザ・ゴッドが好きなのだろう。
「さて、不正をしていたんじゃ警察に通報しようか」
ゲームの中の不正は、警察じゃ取り締まってくれないような気がするが。僕の提案に、タカが助け舟を出す。
「警察よりは、ビースト・オブ・ザ・ゴッドの発売元に連絡して、二度とビースト・オブ・ザ・ゴッドをできないようにしてもらおうぜ」
「ま、待ってくれよ。それは、それだけは
チームメンバーにだけ、僕に任せてくれるように話しかけた。みんなはそれを
「なんで、不正なんてしたんだ?」
「どうしても、この世界で一番になりたかったんだ」
「不正してゲームやって、楽しいか?」
「……」
「人から
「ああ、このゲームを続けられるなら、なんでもするよ」
「ちゃんと約束を守るなら、僕たちの胸にしまっておく」
「……わかった」
「もし、約束を
それにはタカが反応した。
「ちょっと、キョウ。それってどういうことだ?」
僕はみんなに説明して聞かせた。闇の蒼石は、この世界を支配するアイテムではない。この世界で一つだけ、どんな願いも叶うアイテムなのだ。――とアイテム
「絶対に約束は守るよ」
「わかった。なら、今度は不正なしでドラゴンを育てて来いよ。強くなったら対戦しよう!」
こうして、僕はこの
あれから、一ヵ月後。僕らは、まだヴァースにいた。
まだ、僕らの
僕は仲間たちを見回す。みんな頼もしい仲間たちだ。
僕の
そして、
「さぁ、行こう!」
僕らの冒険はこれからも続いていく。
二つの世界 今井雄大 @indoorphoenix
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