凡人と天才を呼び分けるのは誰だ?

前置きしておくが、私に凡人と天才の違いは分からない。
しかしながら、これらの呼称が得も知れぬ力を秘めていることは確かだろう。
この小説は、そんな二つの言葉が持ち得る力について、一つの答えを出してくれているように思う。

凡人という言葉に秘められた力をもって人を呪えば、傷を負うのは一人では済まない。
例えその対象が、自分自身であったとしても。
天才という言葉も同様だ。
例え相手に向けた呪詛であっても、やがては自分自身に跳ね返るだろう。

だがしかし、誰もを深く傷付けてなお、これらの言葉に秘められた力は発散され尽くしはしない。
傷口から生まれるナニカは、なんであれ当人に行動を促す。
あくまで傷口に触れないというなら、それもいいかもしれないが……

あなたは深い傷を負ってなお、何もせずにいられるか?

随分詩的になってしまいましたが、端的に言えば、
創作を志す者にブッ刺さること間違いなしの小説でございます。
ぜひともご覧あれ!