PEY君用小説 第二話

葛西 沙羅

第2話 異世界

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トイレにある暗くて小さな不思議な穴を二人が潜り抜けると、そこは眩しい光が差し込んだ。良く見ると空がとても高くて真っ青な雲一つない空間であった。


広い草原の先に崖あって、目の前を見たことの無い妖怪のようなヘンテコな動物たちが走っている。

空間の真上には大きな塔のような美しい城がそびえ立っていた。


ペロ「ここどこだ?」

トキ「学校のトイレではなさそう。」


挙動不審に辺りを見回すと、屋台のようなアジアンぽい怪しい屋台が、紅い提灯を店先にぶら下げているのが見えた。


ペロ「行ってみるか?」

トキ「えええ、怪しいよ。」


 二人はもぞもぞしながら屋台へ向かった。

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屋台には、顔が鷹胴体が人間のような怪しい店主が一人居た。

売っている品物も、クルミのような木の実、音楽を奏でそうもない壊れかけたハープ、鉄でできたランプ、笛、そして一番気になり目を惹きつけたのは、真っ青なトパーズ色のペンダントだった。


店主「いらっしゃい。物を売るのかね?買うのかね?」

トキ「ウ、ウィンドーショッピングです。買いませんよ。」

ペロ「この世界では、どうやったら品物を買えるのですか?」

店主「おかしな子供達だね。こうやってグーにして手を握ってごらん。」


二人が手を握るとしばらくするとお金らしき金色の硬貨が手の中に現れた。


トキ「何?これ。すごくない??」

ペロ「えええ、念じるだけでお金になるの?」

店主「ただのお金じゃないんだよ。これは、今までの経験値からの差し引き金。」


 言ってる意味が全くわからないが、二人は欲しい物をとりあえず購入する事にした。


トキ「私は、このペンダントを買おうかな?綺麗じゃん。」

ペロ「俺は、どれにしようかな・・・。」 


悩んでるうちにうっすら商品が消えかかっている事に気がついた・・・。


ペロ「消えちゃうんですか?お店。」

店主「そうじゃ、時間と運と出逢いに感謝して自分の欲しい品物を選んでみなさい。」


ペロは目を閉じて、心の中で考えた。


ペロ「どうしよう・・・今の自分だったらどれを選ぶんだろうか?」


悩むペロの背中は、夕焼けが優しく照らし続けていた・・・。


                                     つづく

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PEY君用小説 第二話 葛西 沙羅 @sara0730

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