縁側

「いい天気だねぇ」

「うん。いい天気」

 春のポカポカ陽気に誘われて、

  二人で縁側に出てお茶を頂く。

 この上もなく幸せだ。

 遠くの野原からは子ども達の声が聞こえて、

 台所からは夕飯の匂い。

 桜は誇らしげに空を仰ぐ。

 二人の間にはぼた餅二つ。

 ……この上もなく幸せだ。

 来年も、再来年も、その次の年も、

 ずっとずっと、

 こんな風に、春を迎えることが出来るなら、

 どれほど幸せなことだろう。

「お茶のお代わりいかが?」

 お座敷からお茶を点てる音と柔らかな声。

「「ぼた餅もお代わり!」」

 空になった茶碗とぼた餅の皿。

 思わず見つめて笑い合う。

 この上もなく、幸せだ。

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君を思う日々 音羽真遊 @mayu-otowa

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