戦闘③

 俺達は涙を拭くと先生がまた話してきた。

「この戦闘が終われば行くか?」

「はい…いきます」

 聞きたいこと色々あるから。

「そろそろ着くぞ…下を見ろ」

 言われて下を見た。見ると吸血鬼はほぼ死んでいた。生きているのは3人だ。どれも幹部達らしい。軍の人達は20名ほどで相手している。どう考えても不利の状況だ。

「この武器を持っていけ」

 先生に渡されたのは剣だった。美鈴や赤澤さんにも同じようなのを渡している。

「扱ったことないだろうがちゃんと動けるはずだ。あと、相手の動きもよく観察しておけよ。吸血鬼にダメージあたえる武器あれにあたると結構痛いからな。直ぐに回復するだろうが」

「はい。分かりました」

 ヘリコプターが下に降りていく。






「あれはなんだ…」

「どうした?」

「上を見ろ……吸血鬼の始祖だ……やばい」

 その声にみんなが上を見る。みて吉川が命令をみんなにする。

「全員。何があってもいいように逃げる準備をしておけ!」

「了解です」

 みんなが返事する。

(誰も犠牲が出なければいいが)

 そんなことを思いながら命令を下した吉川だった。

「俺もそろそろ行くか。俺の武器を持ってこい」

「はい」

 吉川の部下が大きな箱を持ってきた。

「どうぞ」

「ありがとう」

 そんなことを言いながらその箱を受け取った。

 吉川は鍵で箱を開ける。

 そこには赤色の刀が入っていた。





 これは吸血鬼にダメージを与える武器だ。

 一般の団員はその武器の複製品だという。

 この武器を持てるのは上位の階級の人のみと言う武器だ。一般の吸血鬼なら普通の武器でも何発も攻撃を当てれば殺すことが出来る。だけど上位の吸血鬼のみ普通の武器では対処ができないため作られた武器である。これには吸血鬼100人の犠牲で作られた武器だ。(人体実験にて完成された武器)









 ヘリコプターから降りた俺達は戦いが行われていた場所まで向かう。

先生が前につき俺達はそれに続いて行った。

走っていると早く感じる。しかも疲れないからもっと早く走れる気がする。


走っていると戦ってる音が聞こえてくる。

「こっちに誰か走ってきている。気をつけろ」

「味方ではないのですか?」

「ああ、違う」

「誰なんですか?」

「相手の司令官だ…多分。見えてきたらお前達は先にいけ。私はその司令官と戦う」

「はい!」

見たい気持ちもあるけれど、それを我慢した。


「見えた。お前達は先に進め」

「了解」

先生に言われた通りに進むと戦っている姿が見えた。

「くそっ。増援か一旦引くぞと言っても逃げられないと思うがな。相手は足の早い化け物だ。死ぬ気で掛かるぞ」

軍人さんがそう言うとみんなも顔色が変わった気がした。

俺達は剣を構えた。








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る