プロローグ2

学校の門が見えてきた。

走って門をくぐり抜ける。

門をくぐり抜けると同時に予鈴がなった。

この学校は予鈴がなる前に入らなければ門が閉じられる。

「はぁはぁ、間に合った」

肩で息をしながら靴箱に行き靴を履き替え、教室に行く。

「おはよう」

「おはよう、今日は遅かったな」

俺が挨拶すると挨拶が帰ってくる。

「ちょっと寝坊して」

「そうなんだー」

俺は自分の席に座る。

自分の席に座るとみんながニヤニヤし始めた。

何かなと思い机の中を手探りで探す。

探していると誰かが横からぶつかってきた。

すごい勢いでぶつかってきたので机の中の何かが刺さったような感じがあった。


「いたっ」


手を見るとがびょうが刺さっていた。

手からは血が滲んでいた。

もう片方の手も痛い。

捻ったようだ。

俺は立ってぶつかってきたやつをにらみつけた。

倒れた椅子を直し先生が来るのを待った。

「おはようみんな」

「おはようございます」



HRが終わり先生のところに行く。

「先生、怪我したので保健室に行っていいですか?」

「またお前か?怪我しすぎなんじゃないのか?」

「先生。早く行かせてやれよ」

いじめっ子の一人がそういう。

「そうだな。あっははは」

どうやら先生にもグルのようだ。

いつものことだけど。

俺は、先生を無視し保健室に向かう。



2018年2月21日8時50分 保健室

「失礼します」

「はーい」

中から声が聞こえた。

「ちょっと待ててくださいねー」

かさっかさっ

中から布がこすれる音がする。

着替えているのだろうか。

あれこれ考えているうちに声が聞こえて着た。

「入っていいですよ」

保健室のドアを開ける。

ガラッ

「保健室の先生はいませんか?」

保健室の中を見渡す。

「保健室の先生は職員室にいますよ」

赤澤由美さんはニコッと笑いかけてきた。

不覚にも可愛いと思ってしまった。

事実かわいいけど。

赤澤由美さんもクラスでいじめられている。

たまに保健室で一緒に治療を受けていた。

「どこ怪我したの?」

俺が聞くと彼女は目に涙を溜めながら言ってきた。

「お腹を殴られて」

聞くまでもない。

クラスの女子達だ。

しかも理由がくだらない。

自分たちよりも可愛いからいじめるとか。

俺は、自分がなぜいじめられているかわからない。

別にカッコいいってわけでもブサイクってわけでもない。

「どこを怪我したのですか?」

色々考えているうちに彼女が声をかけてきた。

「手を怪我した。がびょうが刺さった」

「ひどいですね。手を見せてください」

手を見せると彼女の顔が変わったような気がした。

「治療をしますね」



2018年2月21日8時10分 保健室

「治療を終わりました。保健室の先生読んできます」

そう言って彼女は保健室を出て行った。

しばらくすると保健室の先生を連れてきた。

「あなた達またいじめられて怪我したの」

先生は俺たちがいじめられていることを知っている。

学校での味方は先生だけだ。

他の先生は見て見ぬ振りだ。

「今日はもう帰りなさい。担任には、言っておくから」

「…はい」

先生に言われて俺は赤澤さんと一緒に帰った。

家に帰ったらすぐに寝た。

他にすることがないし何より疲れたからだ。



2018年2月21日19時30分 自分の寝室

あれからどのくらい寝ただろうか?

スマホを見ると19時を超えていた。

慌てて下に降りる。

「ご飯できてる?お母さん」

「できているわよ。早く手を洗ってきなさい」

俺は素直に手を洗いに行った。


2018年2月21日19時44分

「いただきます」

妹の方を見ると妹はご飯を食べ終わったようだ。

ガチャ

扉が開くような音がした。

両親の方を見ると気づいてないみたいだ。

ガチャン

家の中の電気が止まった。

ブレイカーが落ちたようだ。

お母さんが机から立ち上がりお風呂場に向かった。

ブレイカーはお風呂場についている。

ブレイカーをあげに言ってからなかなか戻ってこない。

お母さんを心配してお父さんが見に行った。


「うわぁぁぁぁー」


風呂場に着くなりお父さんが叫んだ。

俺が見に行こうとしたらお父さんが俺たちを見て逃げろと指示を出して来た。

後ろを向いて妹を引っ張って外へ逃げようとしたときに、ナイフが妹の横腹に刺さった。

「大丈夫か」

後ろを振り向くと黒服の男がお父さんの首を締めていた。


「後ろを向くなとお父さんが言ってただろ」


黒服の男はものすごく低い声でそう言ってきた。

お父さんは泡を吹いて白目で倒れていた。

黒服の男はもう一本のナイフを出してきた。

そして、ナイフを俺の方に投げてきた。

かわそうとしたが金縛りか何かで動けない。

ナイフお腹に突き刺さった。

「ぐっ」

ナイフの刺さった場所を抑える。

抑えたが血はまだまだ出る。

「俺は死ぬのか?こんなところで」

絞り出したが意識が闇に吸い込まれていった。

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