2日ぶりの再会

2018年2月23日17時30分

風呂に入り終わった俺は、赤澤さんとは違う部屋に案内された。

「今日からここが君の部屋だ。好きに使ってくれていい」

「ここで住むんでもいいのですか?」

こんなところで住むなんて夢みたいだ。

夢ではないけど…。

「いいよ。それとも家に帰りたいのかな?」

「家には帰りたいですけど、あんなことがあったのですから帰る気にはなりません。それに、俺はもう吸血鬼なんですよね」

先生は無言で頷く。

「そういえばどうして俺の部屋に勉強机とベッドが2つずつあるのですか?それに赤羽さんの部屋よりでかいし」

先生を見る…

「聞くまでもないだろ。妹さんと同じ部屋にしてやったんだ」

だと思った。

先生を見たときにそういう感じがしていたから。

「俺はいいですけど、妹はどう言っていたんですか?」

「君は自分より妹のことを心配しているのか?もちろん、妹さんも喜んでいたよ」

「それで、妹は何処にいるのですか?」

「妹さんなら私が使っている広間に居るぞ。兄さんが来るまで待ってると言ってた」

「分かりました。案内してください」

先生が頷くと部屋から出て行く。

俺もそのあとについて行く。

「妹さんの名前なんて言うのだ?」

「後から自己紹介します」

突然そんなことを聞いて来た。

そういえば妹の名前教えてなかったな。

そんなことを考えていた。

「ここにいるはずだよ」

先生は一番でかいドアの前に立つ。

そして、ドアを開けた。

開けると広い部屋の後ろの方に1つの椅子が置いてあった。

その椅子には見覚えのある女の子が座っていた。

「元気だね。妹さん」

いつの間にか赤澤さんも横にいた。

妹は椅子に座って遊んでいたがこちらに気づいたのかこちらに向かって歩いて来た。

雰囲気は変わっていない。

変わっているのは目の色だけだった。

俺に気付くはずもないか。

俺の場合、全てが変わってしまった。

性別までも。

妹を見ると先生に質問していた。

「この人誰ですか?」

「君のよく知る人だ」

「もしかして兄さん?」

俺は無言で目を合わせないようにして頷く。

「可愛いー!」

そう言って俺に抱きついてくる。

子供の時以来だな。

こうして抱きついてくるのは。

と子供の頃の思い出を回想していた。

「後1人紹介したい人がいるんだが、いいかな?」

「もう1人?」

「入ってこい」

ドアの方に向く。

ドアが開き人が入って来た。

その人に驚いた。

入って来たのは、一番上の兄だったからだ。

「久しぶりだな。大輝に美鈴。久しぶりと言っても3日ぶりか?」

「どこに行ってたの」

美鈴が怒った声音で聞いた。

「仕事だよ。仕事。お前らも知ってるだろ。吸血鬼のことは」

なぜ兄さんが吸血鬼を知ってるんだ?

疑問に思ったことを聞く。

「なぜ兄さんが吸血鬼の事知ってるんですか?それと、俺がこんな体になったことも」

「俺も、1ヶ月前に通り魔に殺されかけて吸血鬼になったんだ。もちろん女王の血ではないけどね」

「仕事ってなんのこと?」

美鈴が聞く。

「大したことではない。それに仕事のことは喋るなと言われている」

話が終わったところで先生が口を開く。

「まさか兄妹だったとはな」

先生が驚いた声を出した。

「彼も今日からしばらくの間こちらにいるらしい」

俺たちの方から視線を外す。

今度は兄さんの方へ向く。

「こちらにいる間この3人を鍛えてやってほしい。頼めるか?」

「はい、いいですよ。でも、3人の方が強いと思います」

「まだ3人は力の使い方がわかっていないから鍛えるだ。戦って鍛えろとは言ってないよ。それにこの3人はいずれ指揮官として戦いに出なければならない。その時は、私もついて行くがな」

「そう言うことですか。分かりました」

どうやら話がまとまったようだ。


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