お馴染みのハーレムラブコメをゴシップ形式で世界にお届けするゴシップガール、そんな彼女に対して因縁の深い文化部文芸部副部長のサメジマサランを中心に繰り広げられる時に親友との何気ない日常を過ごし面倒ごとに巻き込まれたり、時に面倒ごとを起こしたり、時に世界を滅ぼさんとする侵略者を退けたりするお話でした。
ゴシップガールとサランの憎しみとは違うお互いがお互いのことを好きになれない関係性が魅力なこのシリーズですが、出てくるキャラクターも同じように魅力的です。
個人的なお気に入りは演劇部のヴァン様です。
サランの人に舐められたくないという気質が物語の展開と噛み合ってかっこよく見えたりして、「ああ、物語に手のひらで転がされているな」と思わず手に汗を握らずにはいられませんでした。
楽しいお話に出会えたことに感謝です。
脇役、端役、いわゆる『モブ』視点のお話は数あれど、これほどまでに展開が展開を呼ぶお話もないのではないでしょうか。
近未来、『侵略者』が世界を侵食しにかかっている地球。通常兵器では打ち倒せないそれらを倒せる能力を持つ『ワルキューレ』と呼ばれる女子たち、彼女らを養成する南の島の学園が舞台。そして女子だけであるはずの学園に突如編入した唯一の男子学生、彼をとりまくさまざまな美少女ワルキューレたちの悲喜こもごも……は実はメインではなく、それをゴシップ誌にまとめる脇役の少女たち、いわゆるモブ視点でお話は進んでいきます。
主人公は自分でもわかっているほどモブモブしいモブ少女ですが、学園の中心で起こっているハーレムラブコメをゴシップ誌にまとめる文芸部に所属しており、そのゴシップを書き立てる謎の少女とは浅からぬ因縁があります。この時点で無事では済まなそうなお話、当然彼女はとんでもない事態に巻き込まれていきます。
ざっくりと書いてしまいましたが詳しくはぜひ読んでいただきたい。とにかく、いろいろなタイプの女の子がわちゃわちゃします。世界を愛し、世界を救う少女兵器たちであるはずの彼女らがひたすら学園青春生活を謳歌する。世界は危機に瀕していますが、学園はかろうじて平和です。キャッチコピーの通り、泣いたり笑ったりの学園コメディ(百合成分多分)がこれでもかというほど楽しめます。
先のレビューにもあります通りなかなか文字量が多く読みごたえがあります。度肝を抜かれる超展開のつづくきわめてスリリングな作風ですね。
あなたの推しワルキューレちゃんは誰になるでしょうか? ぜひ、じっくり読み進めて探してみてください。