壱への応援コメント
美しい物語が読みたくなって、こちらに参りましたm(__)m
色白で黒髪の「寒牡丹」のような少女の美しさも然ることながら、すずめさまの文章が本当に滑らかで美しいです。
「穢れを知らぬ上質の真綿」を真っ白な儘にしておけるのでしょうか。それとも……。
あと「女性」に「にょしょう」というルビが宛てられているのが凄く好きです。たおやかな表現ですね🌸
作者からの返信
ひいなさん、お越しくださりありがとうございます!
ひゃー文章をお褒めいただけて嬉しいです(*´꒳`*)
他の作品とは違う文体を意識して書いたんですが、うまく雰囲気が出ていたのなら良かったです。
まだ年若い二人の物語は、どこへ向かうのでしょう……?
編集済
編集済
肆への応援コメント
図書館の奥に並べられている純文学のようです。
月、海、炎。それぞれが登場人物の抱えるさまざまなものを象徴しているようで、とても美しい。
絡み合う蛇。初め、この家のシンボルかな、と軽く考えていた図が聡子の背中に現れた時は衝撃でした。
あまりに狂気じみたものに縛られて、聡子自身もどこか自我が壊れているように感じました。
利吉は、あまりに過酷な役目を与えられてしまいましたね。
陽澄さまの表現の引き出しの多さに、ただただ感服です。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
短編は長編よりも、象徴的なモチーフやキーアイテムを中心に描くことが多いですね。
絡み合う蛇というと、神社などの注連縄が蛇の交尾を模しているそうです。生命力とか繁栄とかの象徴。
とはいえ、こうして背中に紋を掘られ、屋敷に閉じ込められていた聡子の世界はあまりに狭く、退廃的で不健全な感じがしますよね。
たぶん、聡子も利吉へ何の気持ちもなかったわけではないのでしょうけど、利用する形になってしまいました。
何もかもが歪んでいる、いつもとちょっと違う雰囲気で書いてみたお話でした。
ご評価も、ありがとうございました!
肆への応援コメント
この度は企画へのご参加ありがとうございました!
大変楽しく拝見させて頂きました。
聡子様の刺青を焼くシーンでは、彼女がそうするしかなかった、苦しい境遇で在る事が窺え、胸に迫るものがありました。
ただ美しいだけではなく、封じられた心の叫びのようなものを垣間見ました。
業を描いた物語、たっぷりと味わう事ができました。
素敵な物語に出会えて感謝です。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
企画主さまに気に入っていただけて、とても嬉しいです。
背中の刺青を焼くシーンに、絶対に交わらない二人の感情を込めました。
まさに「業」を描きたかったので、それを感じ取っていただけて嬉しいです!
こちらこそ、素晴らしいレビューまでいただき、感激です(*´-`)
本当にありがとうございました!
肆への応援コメント
こんばんは。
絡み合う蛇。それがなにを意味しているのか。相手を丸呑みにし、自身は脱皮を繰り返して、強権と不死の象徴として描かれることの多い図柄です。
家格に縛り付けられた聡子。
それとは別の意味で家格に囚われた兄。
兄への思慕に自ら絡みつき、絡めとられる聡子。
然々の事情に惑わされ、堕ちていく利吉。
私が感じたのは、そういったあれこれです。
聡子は兄に、恨みに類する感情を抱いている。が、同時に男女としての想いも持ち合わせ、そちらのほうがやや強い。
兄はその全てを把握し、聡子を玩具として扱い、想いを果たさせる気は全くない。
利吉はそういった事情は分からずとも、そこにある禁忌を感じ取った。だからこそ、弱みを握ったような高揚感をどこかに抱きはじめている。
私の目には、上記のような形でそれぞれの事情が見えました。
聡子の刺青を焼く行為は、脱皮と見立てて。
全て私の想像で、きっとすずめさんの描いた裏のシナリオとは違うのでしょう。
でも耽美とは本来そういうものだと思います。
他人は知ることのない、襖の向こう。
当人たちはそういった行為に及ばないのに、濃い瘴気を感じました。
相変わらず(と言っても過去作ですが)、すごい筆力です。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
ヘビは、いろんなメタファーを内包していますね。
人と神の世界を隔てる結界としての注連縄も、絡み合うヘビがモチーフですね。男女の睦み合いの意味もあるという一説も。
短編サイズなのでぎゅっと凝縮した感じにはなっていますが、そこからいろいろと汲み取っていただけて嬉しいです(*´-`)
愛憎混在。みんなそれぞれ、心の中に相反する気持ちを内包しているんだと思います。
エロスとタナトス。ちょっと違うか。
闇に堕ちる一歩手前の、ぎりぎりを渡る快楽。
こちらとあちら、薄壁一枚。
そんなところから、耽美なるものは生まれるんじゃないかなぁと思います。
本作は普段とは文体を変えるなどして、いつも以上に文章に気を遣ったので、そう言っていただけて大変光栄です!
編集済
肆への応援コメント
非常に耽美的でありながら端正な文章で二度読みしました。
切符を受け取って安心する利吉の心理や焼いてもなおヒロインの背中に貼り付く蛇の刺青、猥雑というより荒んだ宿など非常に描写が鮮やかです。
しかし、初読時でもヒロインの兄が登場した瞬間から
「ああ、これは妹に手を付けていて近親相姦、禁断の愛とかいう話だろ」
と察しが付きましたし、正直、ベタな設定に感じました。
利吉とヒロインの関係性も同様です。
二度読んでも、このヒロイン兄妹の関係は近親相姦というより兄から妹への性虐待、搾取であり(ヒロインは明らかに兄を怖がって服従しており実質は監禁生活をしている)、ヒロインの兄への恋情もレイプ被害者がしばしば陥る防衛機制に感じました。
リアルで肉親からの性虐待、搾取の傷に苦しめられる人の話を聞くことが少なくないせいか、明らかな被虐待児であるヒロインの様態を耽美的に描写する扱いそのものに個人的には抵抗を覚えました。
もっとはっきり言えば、このヒロインの造形全体から
「嫌よ嫌よもいいの内」とか
「男を狂わせるファム・ファタル」とか
様々な形でのミソジニーが感じられました。
むろん、作者様としては現実の性虐待を美化したりヒロインを物語の中で貶めたりする意図はなかったとは思います。
そもそも女性の地位の低い時代が背景の作品でもありますね。
ですが、明らかな虐待や搾取の関係性を描く場合はもっと考慮された方がよろしいかと申し上げておきます。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
描写をお褒めいただいたこと、大変嬉しく思います。この作品でもっとも力を入れた部分でした。
ご指摘の点につきましては、読み手の方の受けた印象が全てだと思いますので、こちらから申し上げることは何もございません。
何を好むか、何を嫌うか、嗜好も思想も感性も人それぞれです。
万人に受け入れられるものを書くことは不可能でしょう。
ですが、こういったものに嫌悪感を抱く人が作品を読むのを避けられるよう、タグやあらすじ等への表記の工夫はできるかもしれませんね。
本作の表現方法に抵抗を覚えつつ二度も読んでいただくなど、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。
肆への応援コメント
谷崎潤一郎『春琴抄』、あるいは日影丈吉の「月夜蟹」を彷彿とさせるお話でした。仄暗いエロスと燃えたぎる情念の世界に酩酊し、久しぶりに心の琴線に触れる作品に出会えてうれしかったです。聡子の背後に見え隠れする兄の存在が、最後に表に露わになるというオチが秀逸で、古風な文体にも引き込まれました。ただ一点、ランタンより提灯の方がこの物語の世界観にはふさわしいと感じました。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
過分なお褒めの言葉をいただき、大変嬉しいです。
1シーンしか出番のない兄の存在感をどのように漂わせるか、悩んだところでもありました。
ご指摘もありがたいです! あまり明確な時代設定を決めずにいたのですが、これを機にきちんと定めようと思います。
肆への応援コメント
コメントを失礼しますm(__)m
ゆっくり味わって文脈をたどらせていただきました。圧巻です。このような結末が待っていたとは。弐で「逃避行」などと浮き足立ったコメントを残したことが恥ずかしくなるようなラスト。
「自分たちは、清廉で純粋なもので繋がっているのだと、心のどこかで信じていた」からの「信じて、居たかった」で熱帯夜だと云うのに鳥肌が立ちました。闇は深く光は遠い。だからこそ月の光が俯瞰するように輝き続けるのですね。
とても好きな世界観でした。拙くて申し訳ないのですが、レビューをおくらせてください。読ませていただき、ありがとうございました!
作者からの返信
ひいなさん、ラストまで読了いただき、また心のこもった素晴らしいレビューもお寄せくださり、ありがとうございます!
この話は、確かに『逃避行』であることは違いないんです。何から逃げていたのかを、利吉が知らなかっただけですね。
ラストにかけて、仰る通りどんどん闇が深まっていきますね。この先どこへ行こうと月はずっと空にあって、逃げ切ることはできそうにもない。
二人が今後どうなるかは、ご想像にお任せします。
こちらこそ、丁寧に読み込んでくださり、本当にありがとうございました!