その3 無口な人の反応を見つけよう
無口な人は性格上、様々な場面でのリアクションが薄いです。しかし、あくまで
“薄い”だけであって、完全に“無い”わけではありません。
無口な人というのは、言ってしまえば、普段のコミュニケーションに言葉を用いないというだけの一般人です。楽しいことがあれば笑いますし、悲しいことは避けようとします。
つまり、他の人と同じで小さくても確かなリアクションをとっているのです。その分かりにくいリアクションのなかでも、比較的わかりやすいものを紹介していきます。
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1、“否定”
否定、拒否、拒絶といった意思表示は、無口な人が行う最大級のわかりやすいリアクションです。
・首を横に振る。
・手を顔の前で振る。
・睨む。
・表情が変わる。などです。
ときには「嫌……」と呟く場合もありますが、呟いた声が本当に小さいので、こちらは意外と伝わりにくいです。はっきりでなくても「嫌……」と呟いた時は本当に嫌な時なので、出来る限り聞き逃さないようにしましょう。
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2、“肯定”
肯定か否定かの2択問題を出された場合、肯定はわかりやすいリアクションを取ります。
ズバリ、“回答しない”です。無口な人にとって回答しないということは、
・それで構わない。
・問題ない。といった意味を持っているのです。※
例えば、某SNSであなたが何か質問した時、既読がついたのに回答が返ってこない場合は、それは既読無視ではないかもしれません。そのときついた“既読”の文字は、肯定を意味するスタンプの代わりなのです。
※そもそも興味がないという場面でも同様のことが起こります。
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3、迷っている
前項で述べたように、無口な人は熟考するクセがあるので様々な事柄に迷いやすいです。
・腕を組む。
・顎に手をやる。
・頭を掻く。などの動作をしているときは、なにかしらに迷っているときです。
ちなみに、遠くを見ているときや視線を落としているときは、迷っているのではなく『答えは出ているが、それを実行できる(手立て/度胸/技能)はあるのか?』と自問自答を繰り返しているサインです。背中を押してあげるといいでしょう。
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4、喜怒哀楽
喜んでいるときは、表情が柔らかくなります。普段は無表情なことが多いので、口角が上がったり、目が穏やかになったりするといった変化は比較的見つけやすいでしょう。
怒っているときは、落ち着きがなくウロウロしていたり、拳に力が入っていたり、片目がピクッと動いたり、落ち着く為に一人になれる空間を求めるようになります。
たまに舌打ちをしますが、大抵の場合、怒らせた本人に聞こえないように舌打ちするので、びっくりしなくても大丈夫です。無口な人は怒るときも静かに怒ります(逆鱗に触れてしまった場合はその限りではないです。普段とのギャップも相まってかなり怖いのでご注意を)。
哀しんでいるときは、机に突っ伏していたり、窓辺で黄昏れていたりします。一人の空間や、静かな空間を求めて行動し、そう言った場所がない場合はイヤホンをしてじっとしています。『寝たふり』は最大級の「そっとしておいてほしいアピール」なので、寝たふりをしているときはそっとしておいてあげましょう。
楽しんでいるときは、明らかに口数が増えます。
口数が増える時は楽しんでいるときくらいなので、
「お前は喋ろうと思えば喋れるんだから喋れよ~」
などというのは、怒った顔が見たい等の理由がある場合でも止めてあげましょう。
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以上が、無口な人が出すわかりやすいリアクションです。無口な人と誤解のないコミュニケーションを図るためには、あなたの観察眼や、空気を読む能力が何よりも大切です。ノリで何とかなるでしょ。と軽く見ていると、余計な溝を掘ってしまうことになります。
無口な人とのコミュニケーションは難しいものですが、マスターすることが出来れば、たとえ普段話したことのない同じクラスの人でも、なかなか繋がりの持てない別のクラスの人でも、就職先の上司でも、取引相手でもクレーマーでもどんな人であったとしても、会話による上手な立ち回りが出来るようになるでしょう。
無口な人の取扱説明書 冬空ノ牡羊 @fuyuzora_no_ohituzi
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