はしやすめ ~大学統合?

 東京工業大学(以下、東工大)と日本医科歯科大学(以下、医科歯科大)が統合に向けた検討に入ったと、発表がありました。少子化で学生の数が減っていることや、お互いに分野が違うことから、統合のメリットがあるということなのでしょう。


 東工大は、実家から近かったので、とても身近に(勝手に)感じています。名称に「工業」が入っているので知らない人は勘違いしそうですが、国内トップクラスの科学系工学系大学です。


 一方の医科歯科大は、その名の通り医療系の大学です。「医学と工学じゃ畑違い過ぎるんじゃないの?」と思われるかも知れませんが、医学と工学って意外に近いんですよ。例を挙げれれば、CTやMRIだって医療目的の工学製品ですし、飲む胃カメラだって工学の賜。その他にも、医学的な実験には、工学の知識が役立ったりします。なので、東工大と医科歯科大の統合は、それほど間違ったことではないと思います。


 しかし、気になるのは一部報道で、「国際卓越研究大学」を目指すとされていることです。ぶっちゃけ、国から研究費をもらうためってことですよ。それはいいんです、研究費がなければ研究は進まないんですから。でも、ここ10年程の文部科学省、「イノベーション」をお題目に唱え始めて、イノベーションさえ起こせればハッピー、みたいになっているんですよね。私見かも知れませんが。なので、国際卓越研究がイノベーション的な物を成果として求めているのであれば、それは危ういなと。大学側も研究費をもらおうとイノベーション優先で突っ走って、基礎研究が疎かになりやしないかと危ぶんでいるのです。

 「TRL(https://kakuyomu.jp/works/1177354054885557884/episodes/1177354054885595141)」でも紹介したように、本来、大学は基礎研究を主体に行うべきなのです。しっかりした土台がなければ、その上にいくら高くて派手な塔を建てても、砂上の楼閣になってしまいます。

 文部科学省も大学も、そのあたりしっかり考えて欲しいなと思います。


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