アマノウズメが扉をひらく

 以前の投稿「月探査に必要なモノ(https://kakuyomu.jp/works/1177354054885557884/episodes/1177354054892004451)」で、月の地下トンネルについて言及しました。

 正確に言えば「かぐや(SELENE)」が見つけたのは、直径数十メートルの縦穴で、地球の火山地帯に見られる溶岩チューブ(溶岩トンネル)のように、流れ出た溶岩が長い時間をかけて風化してできた空洞の跡だと考えられているのです。


 地下トンネルを月面基地として活用するメリットとしては、(1)天井がある(2)寒暖差があまりない(3)密閉が容易などが挙げられます。天井があることで、有害な宇宙線や隕石などから基地を守ることができます。また、月面は昼(110℃)と夜(-170℃)で温度差が200℃以上もありますが、空洞の中は-20℃くらいで一定しているのではないかと考えられます。こうしたことから、月の地下大空洞は人が生存するための基地として活用できそうなのですが、本当にそうなのか? と言う点については、観測してみるしかありません。


 そこでJAXAは、月の地下空洞探査の計画を検討しています。その名も「UZUME計画」!

 UZUMEは、Unprecedented Zipang Underworld of the Moon Explorationの頭文字を取ったものですが、ちょっと強引ですね。アマノウズメは、日本神話で天照大御神が隠れた天岩戸の前で踊った神で、猿田彦命と深い関係にある神でもあります。

 アマノウズメが岩戸を開いたように、UZUME計画が月面開発の扉を開くことになればいいですね。

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