建物の中でもGPSを!

 GPSを利用した、いわゆる位置ゲーのひとつ「DQウォーク」に軽くはまってます(ぬるゲーマーなので)。でも、こうした位置ゲーの弱点は、建物の中や地下など、GPSの信号が届かない場所にいると、きちんと位置が測定できなくなってしまうことです。


 GPSは、グローバル・ポジショニング・システムGlobal Positioning Systemの頭文字を取ったもので、アメリカが運用する衛星測位システムです。ちなみに公式サイトもあります。→https://www.gps.gov/

 アメリカ以外にも、ヨーロッパ、中国、ロシアがそれぞれ独自の測位システムを持っており、まとめて全地球衛星測位システムGNSSと呼ばれます。日本の測位衛星「みちびき」は、GPSを補完するもので単独では成立しません。


「日本専用GPS」はウソ

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885557884/episodes/1177354054886014211


 その仕組みを簡単に説明すると、衛星は常に正確な時刻情報と現在位置の情報を電波として発信しています。受信機側は、その時刻と現在の時刻を比較して衛星からどれだけ離れているのかを計算します。最低でも三つの衛星からの距離が判れば、自分の位置を計算ではじき出すことができるのです。四つの衛星を使えば、高さ方向も判ります。

 つまり、電波が受信できることが、GPSを利用するために最低限必要なことなのです。電波が届かない屋内や地下でGPSを利用できないのは、それが原因です。


 屋内でGPSが使えないのは不便じゃないか! と思う人は結構いるようで、屋内でもGPSが利用できるようにする研究が行われていました。「みちびき」の電波を利用する試験のひとつには、構内GPS関連の試験もあり、実際、網走刑務所で観光客を対象にした試験も行われています。また、「みちびき」の電波に含まれるL1信号を利用して災害情報が提供できるので、災害が起きた場合の地下街でのナビゲート試験も横浜で行われました。

 これらの試験に使われた「構内GPS」は、屋外で受信したGPSの信号を、屋内の端末から再送信するというものです。東京駅構内の案内に使われるiBeaconとはちょっと違います。


 多少精度は落ちても、地下やビルの中でも測位ができるようになるとうれしいですね。


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