第35話

 俺たちは一度、部室に戻ってきた。

 疲れた体をソファーに沈める。ダメだ、動きたくない。


「何か疲れるわね」


 優雅に椅子に座り、コーヒーを飲んでいる黒子が笑いながら言う。


「お前はなんもしてないもんな」


「あら、荷物は運んでいたわ。ここにね」


 黒子の足元には小さい段ボールが置かれていた。

 いや、お前は本を楽しんでいただろ。

 俺と瑠奈がせっせと荷物を運んだに、わけわからない奴等に絡まれてと大変だったのに、コイツときたら。


「あれ、シャロちゃんは?」


「そう言えば、あの子も本を運んでいたわね」


「まったく、シャロも何をやっているんだよ」


「それであの話しを受けるの」


「ああ、あれな。聞いちゃったもんな」


「なんの話しかしら」


「ああ、説明するか。あの後な依頼というか、事件に遭遇したんだよ」


「それは、面白そうね」


 詳しく説明する前に、黒子は口角を上げた。


 ー➕ー➕ー➕ー➕ー➕ー➕ー➕ー➕ー➕ー➕


「今帰りました、あれ」


「おお、今大切な話しをするからシャロも来い」


 シャロは「はい」と返事し俺の隣の席に座る。

 俺は掃除した後に遭遇した事件の話しをする。


「まず始めにこの映像を知っているか」


 机の上にスマホに写し出された映像を見せる。そこには女性の着替えの映像が。


「え、ちょっと!誠さんは何て映像を持っているんですか!」


 シャロが慌てだし、俺の目を覆い出す。

 痛い痛い!目がエグレル!


「騒いでないで説明しなさい」


「そうだ心配するなシャロ、この映像は俺のじゃないから!」


「そうなんですか?今は信じますよ」


 なんかシャロからスゴい目を向けれながらも説明する。

 だから言ったんだ俺は嫌だと、なのに瑠奈が「今スマホないから」という理由で。


「とにかく、この映像は俺のモノではない。そう言うことだから」


 俺は説明してから事件も説明もする。


「この映像はこの学校の女子生徒だとわかった。そしてこの映像はネットで売買されている」


「それじゃこの映像は隠し撮り」


「ああ、それもこの映像はどこから撮っているのかわからないらしい」


「それにこの映像だけだと学年はわからない」


「そこが問題だ。このデカイ学園で場所も学年、時間もわからないのが」


「だけどこの映像はこの学園なのは確実」


「そこは依頼者が確実だと言うため、信じるしかないな」


「さて、どうやって探すの」


 ここで今まで俺と黒子しかの会話に瑠奈が口を開く。


「それを今から話し合うが、シャロのその目をやめろ!俺は何も悪いことはしてない!」


「大丈夫です。誠さんを信じていますので。何も思ってません」


 そう言うがシャロのジート目が痛い。


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この世界は謎でできている 二又 正偽 @futaba1131

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