第34話 仕分けと遭遇

「そ・れ・で!」


「誠さんこれは?」


「な・ん・で!」


「あ、面白いものが」


「あ・た・し・た・ち・が!」


 瑠奈が大声をだして文句を言いながら荷物を運ぶ。

 シャロは俺に確認しながら仕分けをする。

 黒子は古い本を段ボールにしまいながら楽しんでいた。


「仕方ないだろ。生徒会回からの依頼なんだから」


 そう、俺たちは今生徒会の依頼で図書館の整理をしている。

 本は段ボールに入っており、入れ替えのための手伝い用意で呼ばれたのだ。

 シャロと黒子は本に興味はあるが、瑠奈は本に興味があるとは思えない。


「さて、この本を運んだら終わりだからシャロ、黒子片付けを続けろ」


「「はーい」」


 ~+~+~+~+~+~+~+~+~+~+


 運んだ段ボールは図書館の裏側へ運び終わる。


「……疲れたな」


「……そうだね」


 俺と瑠奈は2人疲れきっていた。

 結局荷物を移動させていたのは俺と瑠奈だけだ。

 シャロは本を仕分けするも途中から本を読みこんでいた。

 黒子に至っては、姿がなくなっていた。


「それでこの箱は何がはいっているんだ」


「えーと、『いつでも哲学』『簡単な科学』とか、なんか難しい本ばっかだね」


「この本は捨てるのか、もったいない」


「でも古い知恵は、新しい知恵には勝てない。新しい物は正しく、間違ってないから」


 瑠奈の言っていることは間違ってない、だからこの本のように古いものは淘汰される。


「ねえ、アレ見て」


 瑠奈が指差した先には、男数人に囲まれた女子生徒が。


「なあ、いいだろ」


「これがどうなってもいいのか」


「なにがだ。写真?」


「この写真お前だろ」


「ほほう、これはナイス写真だね」


「そうだろ、この写真は最高の角度だろ」


「それで、この写真を使って脅しているのか」


「それにこの写真は隠し撮りだね」


「って!誰だよお前ら!」


「探偵部!」


「なんでここに!」


「いや、たまたまだよ。それで何していたんだ。男が数人で女子を囲んで」


「これは……」


「脅迫、脅し。それに隠し撮りとは、やるね。警察行く?」


 俺と瑠奈の質問攻めに男たちは散って行った。別に脅していないぞ。これは正論だ。


「大丈夫か?」


 俺は囲まれていた女子生徒を向く。


「ありがとう。でもこれも私が可愛いから悪いんです」


「はあっ?」


 なんかまた、めんどくさい奴が現れた。

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