生徒会からの依頼

第33話 生徒会

 太陽の光が部屋を差し込む。

 広い部屋に俺ともう一人。

 壁には鍵が掛かった本棚。

 本棚には大量の本。

 広い部屋に扉が5つ。

 部屋の真ん中にはソファーとテーブル。

 テーブルには紅茶が湯気を立てている。

 俺は紅茶に少し口をつける。


「さて、本題だ」


 太陽を背に立派な椅子に座る彼女。


「君たちはよくまあ、この短い期間でこんなに」


 俺がここに。

 生徒会室に呼ばれた意味がわかった。


「俺がこの短時間で行った件ですか」


「そう!探偵部だっけ?君たち5人で窃盗に盗難」


「本屋でのは窃盗だけど、野球部のは盗難というよりは、紛失では?」


「まあ、その二つはこちらが対応した。けどあのバスジャックはどうなの」


「あれはたまたま居合わせたら事件に」


「それにしてもあの事件は悲劇だったね。デートが中断して」


「デートでもないですよ。それに結末は犯人による出頭ですから」


「極め付けには数日前の殺人事件」


「俺でも驚きすぎですよ。宝を見に行ったらまさかの人殺しですから」


「それは驚くよね。だけど、君はそうではない」


「そんな事はないですよ」


「君は事件というモノに好かれている」


「……面白い事言いますね」


「もう一度言うよ、君は好かれている」


「それはloveですか、likeですか」


「この場合はどっちもかな」


「そうですか」


 紅茶を飲もうと思ったがすでに冷めていた。


「そっか、冷めていたか」


 彼女もコーヒーが冷めていた。

 いいタイミングのため俺は帰るか。


「それじゃ俺はこれで」


「あ、そうだ君をここに呼んだ理由」


「え、呼んだ理由はこれまでの話しをするためでは」


「だれがそんな事言った。ここまではただの雑談」


「雑談長くないですか。紅茶冷めてるし」


「それなら、新しく淹れなおそう。おーい」


 会長の声で生徒会室内1つの扉が開く。


「はいはい、準備できてますよ」


 台車を引いて女性が出てくる。

 会長とは背丈が違う。大人の女性。


「どうぞ、紅茶です」


「ありがとうございます」


 可憐だ。


「さて、紅茶の御代わりもきたことだ。本題を話すか」


 学園島、中高大学と全校生徒約8万人中、高校約35000人。

 その中でトップに立つ彼女は、生徒会会長。

 今、俺の前にいる。

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