第2章 始まり
私は、丁寧に兵士の首をはね飛ばしながら
思う。
「私は何故ここにいるのだろう」と。
私の生まれはとても裕福な家庭だった
名は レレイ・ストレインフォード
私の両親も優しく
私は幸せに育てられた。
父と母は軍人だった。
とても立派で、強い軍人だった。
『だった』だけれど。
その時は唐突にやって来た。
私が10歳の誕生日を迎える日は、父と母は戦場に出ていた。しかし、留守番は慣れていたから仕方がないと思っていた。
誕生日の日に戦場に出ているときはいつもプレゼントが送られてきた。
私はワクワクしながらプレゼントを待っていた。家の呼び鈴がなり、ドアを開けると祖母が立っていた。
祖母は泣きながら私を優しく抱きしめてくれたのを覚えている。私は何故抱きしめられたのかわかっていなかったと思うが、いつもは帰ってくる日に帰って来なかったことでなんとなくわかっていたんだと思う。
その後、私は自分で軍人に志願したわけではないが父と母の上官が私を養子に迎えてくれたこともあり、戦場に出ることになった。
しかし、私は戦場に立つには優しすぎた。
命を乞う兵士には慈悲を、死にかけの人間には銃を下ろした。
あるとき、私はそれまで見逃してきた敵軍の人間に捕虜として捕まった。
私は目を隠されずに拷問を受けた。
指が在らぬ方向へと曲がる様を見た
皮を割かれ滝の様に流れる紅い水をせき止めてやる事も出来ず、全身が焼けるように熱い
或いは焼かれていたやもしれない。ただ
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い。
何日経っただろうか、私は思った。私をこうする人間を殺して殺して殺して殺さなければならないと。そう考えた瞬間。私を縛っていた何かが消えた。
火事場の馬鹿力だろうか、簡単に私の手足を縛っていたものが外れ、私を散々痛めつけた拷問具を手に取り、奴らを殺した。
私は外に出て空を見上げ決めた。
私は真の戦闘狂にはなれない、だからせめて殺人鬼、戦闘狂を演じよう。さしずめ私は、戦場に立つ演劇部と言えよう。
戦争とは何か?
私にとって戦争とは大舞台だな。
最前線の演劇部 ノラ猫少尉 @gakkan
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