第2話

三月二十八日

効果あり、というのは早過ぎる気がする。

それでも七日間も我慢したのは初めて。

ただどこか違和感を感じる。


三月三十日

嫌な夢を見た。

自分が一番嫌悪するべきことの夢だ。

幸い、実際にそれをするには至らなかった。

股間のそれを飾りにするだけでは抑えられないようです。

とにかくもう二度とあのような夢を見ることがないように。


四月三日

男が書き連ねてきたこの日記を女が引き継いで書いてみようと思う。

‥‥‥少しぐらいは土佐日記感をかもせたんじゃなかろうか。

ここからが本題。

何か、喋りにくい。

まず主語でつまずく。結局、何故か少し恥ずかしくなって「僕」で済ますけれど使う度に気恥ずかしさが残ってモヤモヤする。

後は語尾。これだけは分からない。

何がともあれ、おやすみなさい


四月五日

性的興奮がどっか行った。

どう捉えていいのか分からないので、とりあえず事実だけ書く。

相変わらず語尾に迷う。喋れなくなりそう。


四月八日

正直に申し上げます。日記に飽きてしまいました。

ふざけるな!と思った私、ちょっと待ってほしい。私はこの三日間、春休みの課題をしていただけなのです。久しぶりの頑張りだけは認めておくんなまし。私は私のままで変わりなく、元気にやっています。

で、明日は入学式なので早く寝ることにします。それでは。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

別にどうってことはない性転換 大海の蛙 @394649

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ