幻刀時代

@boukun

第1話

世は室町時代末期

戦国時代に移変わろうとする日の国

天下を取り、日の本を我が手中に収めようと

日夜、野心に燃える武将達


そんな熱く燃え盛る時代には

必ず影にあるもの

それは妖刀。


この時代に君臨し、君主をも変えてしまう妖刀。

血を肉を求め、魂を吸い鮮明に輝きを放つ。


武士の魂ともいえる刀を作る刀工

神を重んじ神聖な儀式でも用いられる為に

刀工は細部にまで、魂を込め作る。


妖刀を作る刀工。

悪魔に魂を売り、邪神の化身となり

刀を作ったのが妖刀になる。

神聖な水を使う代わりに血を使い

神聖な布を使う代わりに人の肉を使う。

この時代に四本の妖刀があった。


一番妖気に溢れ、持ち主の人格も変え

持ち主の魂までも喰らい尽くす妖刀

その名も「魔皇剣」

魔族が世を支配する為に生まれた妖刀。


それを阻止し人の世にすべく生まれた妖刀

その名も「神帝剣」

血を吸い妖刀になる刀に力を発揮する。


人を切るのではなく、人の心に入り

罪だけを切る

その名も「観裁剣」


人の気持ちを操り惑わせ反乱を起こさせる

この刀から発せられる妖気に人が惑わせられる。

その名も「疑空剣」


戦国時代には、この4つの刀が君臨していた。


持ってはいけない妖刀を持ってはいけない人物が持つから世が乱れ乱世へと突入する。


魔皇剣を生涯愛し、君臨した織田信長。

織田信長が魔族と契りを結び、魔皇剣を持つ。

いつ織田信長が魔族と契りを結んだのか。

桶狭間の戦いの前夜。

兵の数から戦は一目瞭然で織田信長の不利

前夜に雷鳴轟く最中、魔族が織田信長に告げる

「魔族の手先となり世を支配するなら、お前に力を与えよう」

信長は、考える時間も持たず即答した。

「世は魔族の家臣となり、天下を治める」

その瞬間、雷鳴が轟き天空が血の色に染まり

信長の陣の前に竜巻と共に雷が落ちた。

そこに妖しく輝く刀が地面に突き刺さっていた。


どこからともなく刀から血が流れていた。

信長は、刀を手に取った瞬間

全身に妖刀の力を、妖気を全身に感じた。

「これが魔族の力か」

右手に持って、天高く刀を上げた。

再び雷鳴が轟き、雷とは違う雷光が刀を通じ

信長の全身を貫く。

「これが魔族か」

信長は刀を左手に当て、己の肉を切り

刀に己の血を吸わせた。

刀は蒼白く闇夜に妖しく光り輝く。

天下布武の力を手に入れた信長だった


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