隣り合わせの…

乾きと湿り気、
冷たい血と温かい涙、
凍るような目つきと優しい笑顔が
物語のなかで同居し混じり合う
素晴らしい作品。
さっきまで隣で喚いていた男が、
今朝は同じ布団で寝ていた女が、
愛おしく感じた友人たちが、
明日は魔物の一撃で
肉塊になるかも知れない。

そんな死の匂いの中を
もがくように精一杯生きている
主人公たちから目が離せない。