第2話ルイ

ルイ


吉沢 涙

浮気は至福で美味しいとこどりだと思う。


アラフォー世代のバブルを知る男たちは

女にお金を出し惜しむことをしない。

それに比べて同世代の男たちはどうだろう?

安っぽいスーツで割り勘が当たり前…

自分の価値が下がった気がする。


ルイが目下夢中なのは製薬会社勤務の

既婚男性 英介。仕事柄なんの縁もなかったが

自動販売機の前で100円足りなくて困っていたのが縁で知り合った。

魅力的な男は必ずモノにするし、つまらない駆け引きはしないのが主義だ。彼も例外では

なかった。


ルイはくすぶっているのが嫌いだ。

『アクティブな女性』と表現される。

その通りだと思う。


休みがあれば突発的に海外にも行くし

1人なんとかも大好きだ。

カフェだけじゃなく、ラーメン屋もカラオケ

も定食屋も入りたい時に入る。


周りの既婚女性をみて思うこと、

『窮屈そう』何をするにも夫の顔色伺い

予定立てるのも夫中心。男が家で見せる顔

なんてくたびれきったシャツとか、

食べ尽くされた後の鍋みたいなものなのに…


アンチ結婚派だ。

まぁでも週末婚とか、変わったカタチの結婚ならしてみたい。

そんなことを考えていると英介がやってくる。

馬車道のレトロな雰囲気のサモアールで

アイスミルクティーを堪能する。


今日はタイ料理を食べに行く予定だった。

香辛料の効いたガパオライスは大好物だ。

「そういえば友達の結婚式はどうだったの?」

『まぁ、普通。結婚式なんて所詮自己満の

世界だし。」ミルクティーを啜りながら言う。

「相変わらず考え方が刺激的だ。」英介は絶対に私を非難しない。こんなこと女友達の前で言おうものなら間違いなく大ブーイングだ。


お洒落なタイ料理レストランへ行き、

スマートにエスコートされる。


互いを貪り合い満足すると

「また連絡する…」ホテルから出て行く。


素肌人ガウンをする羽織りベッドの上で一服する。情事の余韻に浸りながら…


親友に電話をしてする…現状を話すと

「オッサンみたい」と呆れられたけど

自分には夜通しイチャイチャするより

欲しいモノを欲しいだけ気ままに手にする

方が性に合う。


『倫理観』を除外して言うなら、限定された

モノの方が遥かに魅力的だ。


たがいつか来る別れに痺れる生き方は

もう充分かなとも思う。


婚活とやらに行ってみるか?

不意に興味をそそられた。

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婚活適齢期 suwan @suwan

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