diary

十色

「ハンバーグ」

 記憶とは実に曖昧なものだ。人は覚え、忘れを繰り返して生きている。それはなぜなのか?こんな平凡な男子高校生に分かるわけがない、考えるだけ無駄とはこういうことだ。

 しかし、一度見ただけで覚えることができる能力や、食べるだけで覚えられる食パンがあれば、人生の9割以上が楽になるのではないか。そんなことを思ってしまう。非常に分かりやすい現実逃避だ。何から逃げているのかって?明日の期末テストだよ、勉強サボってたんだよ、悪かったな。そんな誰が言ったわけでもない自問自答を頭の中で繰り返す。いや、脳内なのか?...どっちにしろ頭の中か。


 さて、こんなことをしている間にどんどん時間が過ぎていくのを考えたくもないがそろそろ現実と向き合わないと本当に間に合わなくなるのでそろそろペンを持とう。補修だけは勘弁だ。と、その前に...携帯電話、今の世の中の呼び方的にはスマートフォン略してスマホの電源を入れ、メモのアプリケーション略してアプリを開く。無事この苦難を乗り越えられたら自分に何かしらのご褒美を与えよう、そう思った。何がいいかな...財布にいくら入ってたかな...などと、15秒くらい考えた後、多分現在財布の中に残っている1500円の中で足りるであろうご褒美を決める。


 もう一度言おう、記憶とは曖昧なものだ。人は覚え、忘れを繰り返して生きている。『だが』、極力忘れないようにする方法というものは存在する、それは何か?メモだよ。人はどこかに記しそれを見ることで思い出すということができる。今では当たり前なのかもしれないが、最初に考えた人は天才だと思う。そうして言語を含め進化に進化を重ね、超手軽にその行為が出来るようになった時代に、それを使わぬ手はないのではないだろうか?そんな馬鹿みたいなことを、いや馬鹿じゃないよ?ほんとだよ?などと考えながら、進化した人類の産物、携帯電話、今の世の中の呼び方的にはスマートフォン略してスマホの、メモのアプリケーション略してアプリに5つの文字を打つ。


『ハンバーグ』

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