設定はありふれてるのに何故か引き込まれる

長年、付き合っていた彼女を優秀な男に寝取られた。
これは現実世界では凄くありふれてるし多少なりとも誰でも経験がある事だと思う。(まぁ関係清算してから他にうつれとも思うけれども)
それが、ファンタジー世界(多分中世)の倫理観や貞操観に当てはめるとアラ不思議。立派なクズな幼なじみに成りかわる。

けれども、それが特筆するところではなくて…
世界観や登場人物の年齢や時間経過などを明確にしない事で読み手によって様々な色のついた物語になっているところがこの小説の凄く引き込まれる所だと思う。

倫理観が現実に近ければ、幼なじみは普通の女性だし、貞操観念の強い世界観ならば……ってな感じで主人公の見方も、ヘタレか哀れに変わる。


読み手によって駄作にも良作にもなるのは全ての作品において共通だけれども、少なくとも私はこの作品を起点にして自分が想像した世界観は好きだと思う。

皆さまも一度、目にとめてみてはいかがでしょうか?