第10話

ありがとう、と千桜ちはる逢海あみに告げる。



「い、いえ!こちらこそ、助けに入ったつもりが助けていただきましたし・・・・」




「でも、あなたがいなかったら、私は退部していたかもしれないから。」






互いに感謝しあう二人。




このままでは収集がつかなくなると判断した逢海あみが地雷を踏む。



「で、でも1年生で大会のメンバーだなんてすごいですね!」





「私、2年なんだけど・・・・」




「えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!??」









千桜ちはるは同年代の平均より少し身長が低かった。


対する逢海あみは、同年代の平均よりほんの少し身長が高い。



結果として、誤解を生んでしまう程度の身長差ができてしまっていた。
















「せ、先輩だったのか・・・・・」





「先輩・・・っていうことは、1年生?」




「はい。島野 逢海あみと申します。」



「あ、私は・・・・・夕姫ゆうき千桜ちはる、です。」




「宜しくお願いいたします。夕姫ゆうき先輩。」





「よ、よろしく・・・・島野、さん。」











たどたどしい挨拶を交わす二人。






かくして、彼女たちのゆるく、儚く、微笑ましい物語は始まりを告げたのだった。

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もだ恋 ~もだもだするけどキュンとする恋がしたいっ~ @yamato_kaku

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