空想の土曜日

@072072

第1話 空想の土曜日

今日は土曜日。

世間一般的には休みの日。

どのくらいの人が休んでいるか

なんて知らない。

けど、半分ぐらいは休みじゃないのかな。

統計データを調べたわけじゃないけどさ。


昨日の夜は飲み過ぎたのもあるが

目が覚めたのはお昼前だった。


グゥーグゥーグゥーグゥーグゥー


お腹の音がなる。

空腹のサインだ。


空腹のサインで僕は目が覚めたのかな。


お腹は空いたけど、自宅にあるのは

米、焼きそば麺、餃子しかない。

今から作り始めたら、30分はかかるだろう。


グゥーグゥーグゥーグゥーグゥーグゥー


お腹の音はそれを待ってくれないようである。

しかたなく、僕は外食することにした。

無論、自炊派を自称する僕にとっては外食は完全なる敵であり悪である。

しかし、たまには白旗をあげなきゃ

生きていけないのである。

そういう感じで僕は外食と休戦を保っている。


グゥーグゥーグゥーグゥーグゥーグゥー


音は鳴り止まない。

一刻も早く、なにかを投入しなければ、

僕は倒れてしまうだろう。


駅前まで歩くと、Mの看板が見えた。

あの大手ハンバーガーチェーンである。


どちらかといえばSであるが、たまにはMも

良いかもしれない。

そう自分に言い聞かせて、Mに入る。


今は12:09だ。

土曜日、大手、駅前、M、昼

とネットで検索しなくても、混雑している

ことは誰でも予想はつく、、、


グゥーグゥーグゥーグゥーグゥー


音は鳴り止まない。


予想外のことが起きた。


Mの店内はガラガラである。

今日は土曜日の筈だ。


何度ネットで検索しても、混雑としかでない

ワードしかない筈た。

携帯のAiに聞いても、同じ答えが返ってくるはずだ。


しかし、ガラガラなのである。


Mが何かをやらかしたわけでもない。

なぜなんだ?

僕は列に並んで、理由を考えた。

答えはでない。


ヤッピーとホットコーヒーを頼み、

席に座る。


土曜日のお昼に座れるなんて、信じられない光景である。


これは何かの陰謀かもしれない。

ネットで検索しても、答えはでない。

頭のCPUを最大限にしても、答えはでない。


これは僕には解決することができない

事象である。


誰に聞いたら良いのだ?

わからない。

ツイッターで土曜日 少ない と

検索してみる。

すると、同じような事象が起きている

ようである。


東京総武線

東京総武線

東京総武線


東京総武線だけである。

検索には他は出てこない。


この事象が起きているのは

東京総武線と僕が今いるMのみ。

ツイッターによる答え。


何千万人もが日本で利用しているツイッター

が示した答えだ。

これは答えとして認識して良いだろう。


そんなことを考えているうちに

ヤッピーを食べ終えた。

コーヒーも飲み終えた。


僕はもうMにいる資格がなくなってしまった。

しかし、お客は増えることない。


どうしようかな。。。

留まるべきか、出るべきか。

迷う。

留まることで答えが出るわけじゃない。

けど、出てしまうと。

この事象から、はぐれてしまう。

ある意味、負けを認めたことになる。


お腹の音はならない。


考えても答えは出ない。

あれ?これはもしかして、僕はだまされて

いるのかもしれない。


今日は土曜日では無いのかもしれない。

何者かが、僕に土曜日と思うように何かを

植え付けたのだろう。


東京総武線の乗客にも。


ということは今日は

現実の土曜日ではなく

空想の土曜日である。


空想なら、この事象も納得できる。

だって、空想だから。


僕はだまされていた。

今日は土曜日ではないのであった。


答えを見つけた僕は堂々と店をでる。

僕に土曜日の記憶を植え付けた誰かに

勝利したのである。


しかし、そう考えたら疑問が浮かんで来た。


今日は何曜日なんだろうか?


(輪廻)

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