最終章 ✲✲✲ 6 ✲✲✲
「………ったくもぉ…」
教員は預かったノートのページをパラパラと捲った。
中身はごく普通の板書の写し。
表紙や裏表紙にも、氏名の表記もない。
「本人が気づいて、且つここに来ない限り、持ち主に戻らないじゃない…」
何か持ち主の手掛かりになるようなものはないか、もう一度ページを捲ったりノートをひっくり返したりしたが、やはり何も見つからない。
「……はぁ」
何度目かになる、ため息。
「……てゆーか、黒地に白って…なんかクるものがあるわね…」
そう言って最後、興味を無くしたように、黒い表紙に白ペンで『心理学』と書かれたノートを、ぞんざいに自分のデスクに放り投げた。
終
満腹カフェ もふ @dustcat
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