紙飛行機

灰咲勇兎

紙飛行機

僕の未来は例えるならば、薄い一枚の紙だ


何かを書き加えることも、破り捨てることも、少しだけ折ることもできる


人はいつだって、未来の自分に対してだけは独裁的だ


期待をすることも、絶望することも、紙切れに対して行われているんだ


僕の未来は薄すぎて、すぐに破れてしまうんだ


壊れることは嫌いじゃないよ

破れることは悪ではないよ


ただ紙飛行機を作ることができなくなるから、飛べなくなるだけ


僕はどこへも行けない

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

紙飛行機 灰咲勇兎 @haisaki_isato

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る