あなたの食いっぷりに恋をした。

みろん

あなたの食いっぷりに恋をした。

俺が通っているところは中高一貫の学校だが、中学生である俺が高校生と関わることはほぼない。

校舎は別の話ため高校生は見ることは少ない。唯一あるとしたら、行事とか学食だけだった。


中高一貫学校だから大きいが学食は一緒。最近食事を作ってくる給食のおばちゃん___学食のおばちゃんをしてる人が少ないらしくまぁ学食くらいはいっかということで一緒になったらしい。

だが、一緒になったから学食はとても混む。

人混みがあまり得意ではない俺は学食は絶対利用しないと決めていた。


でも、最近は毎日学食だ。



学食に通い始めたきっかけは、弁当を家に忘れ、さらに委員会の会議が時間がかかり購買部も売り切れ。渋々、学食を利用することにした。

昼休みの残り10分のためか学食に人がいなかったのは唯一の救いだったが。


ちなみに俺が頼んだのはハンバーグだった。これしか残ってないらしい。ほぼ誰もいなくてすっかり広く感じた学食では俺のいただきますも響く。

箸を手に持ったとき、ふと向かいの前の席に人影を感じた。高校生の女の人だった。きっちり目の上で切られた前髪から覗く瞳はキラキラとしていて思わずガン見した。彼女は席につくと、腰まで広がっていた長い黒髪をキュッと一つに結び、


「いただきます」


と言った。ちなみに彼女が頼んだのは俺と同じハンバーグだった。


っていつまで見てるんだ。あんなに綺麗な人は見たことがなかったのでついつい見入ってしまった。箸を手に持ち直し、ハンバーグを切ると油が溢れ出した。匂いが先ほどまでなかった食欲を上げる。口に入れると、口の中で油が広がる。肉は柔らかく、一口が小さかったためか一瞬で消えた。

......やばい。

もう一口目を口に放り込む。次は大きめだったためしばらく口がハンバーグで一杯となった。


美味しい。美味しい。

ごくりと生唾を飲み込み、ハンバーグを先と同じように口に入れる。


幸せだぁ。


顔を上げ幸せを噛み締めていると、ふと先ほどの人と目があった。ぼんやりこちらを見ている。その口は微かに孤型を描いており、現実に引き戻された。.....み、見られた。多分、めっちゃ美味しそうに食べてたし、がっついてたから子供だなぁと思われたんだろう。恥ずかしい.....。視線をハンバーグに戻し、早く食べて去ってしまおうと決めたとき。



「.....ん〜!!」


変な声がした。見ると、俺を笑っていたはずの彼女が口に目一杯ハンバーグを詰めて幸せそうに頰を抑えていた。俺が言うのもあれだが子供みたいだな。大人ぽっい見た目に反して。



.....可愛いなぁ。




.....え、俺今。可愛いって、みるみる体温が上がっていくしかも彼女とばっちり目があっていた。体温が上がっていく。目の前の彼女も顔が赤くなっている。

顔が熱くて赤くてでも反らせなくて。いつまで見ていたいと思った。



その時、チャイムが鳴り、彼女はハッとしたように勢いよく立ち走り去ってしまった。


.....あ、俺次移動だ。


それに気づき、勢いよく立ち学食を出た。口の中は幸せで満ちていて学食も悪くないと思えた。.....心もポカポカしてきたし。




.....明日も会えるかな。あの食いっぷりまた見たいな。



その頃、


「ど、どうしよう。絶対口大きすぎたよね。

わざわざゆっくり味わえる時間に来たのに最悪!

....でも、あの美少年。食いっぷりいいな。また会えるかな」


彼女がこんなこと考えているとか知らない。



二人が自分の気持ちに気付くまで後

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