余談 娼婦と奴隷、どっちが偉い?

「ご主人様・・・好きです」と奴隷少女が言うシーンは心ときめくものがあります。


ありますが。


でも「好きです」以外に言えないでしょ?と第一話で言いましたが。


さらに身もふたもない事言うと、本当は「好きです」などと奴隷が言うはず無いんですよね。


そもそも人間が人間を物品のように扱う制度の中で生きるという事は、扱われる側の精神が持つはずが無い。

なんでおまえは私に命令できるんだ?!と思うに決まっている。

なので社会制度として奴隷がありな社会だと「奴隷」は人間じゃない!と支配者側は思っているし、奴隷側は「支配者」は違う種族だ、と規定しているはずなんです。


これはほんとかどうかわかりませんが、第二次大戦時に日本人捕虜の前で女性の英国将校が着替えでスッポンポンになったという事があって、つまりこれは「貴族じゃねー奴は下層民だから犬みたいなもんで」恥ずかしくない、という事なんだ、と。


そういう階級観が無いと社会が奴隷を扱えるにわきゃーねー。


つまりは奴隷をいわゆるえっちな目的では使わない社会じゃないと奴隷は扱えない、という意味になるかと思います。


そういう社会での奴隷たちの意識は「本来交流すべきで無い、そして私も交流したくない支配側が手をさしのべてきてる?裏があるに決まってる、迷惑だなー」と思うはず。

そもそも同じステージにいないからこそ奴隷という境遇でも生きていけるので、交流可能だ、と思ったら、自分の境遇があまりにも惨め過ぎる訳で、そら絶対にそういう意識になるわきゃーねー。

テンプレのよーに「ありがとうございました」などと言うわけねー。



つーかよ、これは声を大にして言いたいが、ひどい扱いだった奴隷を手厚くする代わりに感謝をもらうってブラック企業の考え方だよ!(大爆笑)

ブラック企業は「こんだけ職が無い時代に雇ってあげてんだから感謝されて骨身を惜しまずに働いてくれる」と思ってるわけで、それテンプレの主人公と考え方いっしょ(笑い)


で、話は娼婦の方に。

こういう階級意識がある場合、一方で娼婦は階級の人と「交わる事が出来る」以上、支配階級の一部、と認識されているはず。

実際高級娼婦などは知識も豊富、洗練された物腰と礼儀、エリートたちとサロンチックな交流をしていて、そんじょそこらの下級貴族なんぞ目じゃない、という人もたくさんいたようですし。


という訳で「奴隷」という社会階級がある、ということはクラスレスの日本人には想像を絶する階級意識が必要で、しかもそれに順応していないといけない、という話でありました。


あ、念のために言っておきますが、そもそも異世界に転生/移転している時点でかなり相当猛烈にご都合主義なので、私のこのエッセイに惑わされず、作家の皆様は奴隷少女にバンバン「好きです」と言わせて欲しい<人として最低

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

何故私達は飽きもせず奴隷少女が出るお話を求めるのか @garbagememo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ