リヤホイールを探す
物置に転がっていたホイールの程度が良く、少し手入れをして完成した前輪。順調に完成した前輪に対して後輪は作業が進みません。
「付いていたホイールはリムに錆穴、新たに購入した物はドラムが摩耗していました。じゃあニコイチで組めばとなりますが、私はスポーク調整の技術が有りません」
オートバイ店に相談したら「スポーク張替えも新品
※詳しくは『京丁椎の真夜中MIDNIGHT∞』の四月放送回を参照
https://kakuyomu.jp/works/16816452219105084739
「そもそも一万円で買ったカブです。ホイールだけに本体購入価格の三倍強を使うのはいかがなものでしょう?」
ボロな車体に一点豪華に光る部分があるってのも悪くないかもしれません。否定はしませんが今回は車体の雰囲気に馴染んでお値段も安い中古部品を探します。理屈をこねていますが、金を使いたくないだけです。
「プレスカブの不人気な型から外した部品を狙います」
私の手元にあるプレスカブは形式が『C五〇』で始まるやや古い車体です。長く作られ続けたキャブレターの鉄カブで電装は十二ボルト。
「C五〇が形式名称変更で『AA〇一』になります。クランクケース内に吹き抜ける混合気を大気解放せずにキャブレターへ引き込む『ブローバイガス還元装置』が付いたんだったかな?」
最初のAは『排気量五〇㏄未満原付一種』で、二つ目のAが『スーパーカブ』の意味だそうです。続く数字は調べてもよく解らなかったのですが、開発とか発表された順番だと思います。
「そして排気ガス規制は更に厳しくなり、スーパーカブのエンジンにも電子燃料噴射装置が採用されました」
プレスカブも例外ではありません。新たなエンジンが搭載されて排気ガス規制を突破して生産が続けられました。俗にいう『FIカブ』です。
「ホンダも大冒険は避けたかったのでしょう、車体はほぼ(細かな変更はあるが)はそのままでエンジンだけ変更しました」
このFIエンジンは始動性やパワーで良い面があったそうですが、若干耐久性に難が在ったそうです。銀行の外周りの方は「エンジンが脆くなった気がする」と言っておられました。カスタム派にはボアアップ時に費用がかかるのもネックだったとか。
「車体よりもエンジンが先に逝くとも言われています。鉄カブの中で不人気な部類である『FIプレスカブAA〇一』のリヤホイールを狙います」
ハブとブレーキパネルが合わない可能性があります。そんな場合はスイングアーム丸ごと交換してしまえばいいでしょう。FIカブの車体にAA〇一のスイングアームが取付け可能なのは調査済みです。
「雪が降らず海岸沿いでなさそうな地域からの出品は……」
融雪剤や海水は錆びの原因です。スタッドレスタイヤやスパイクタイヤが付いているホイールも除外します。
「ときおり『AA〇一スーパーカブから外しました』とありますが、実際はプレスカブから外したホイールだったりします」
プレスカブとスーパーカブ七〇・九〇はリムのサイズがスーパーカブ五〇より若干太いサイズです。積載や二人乗りを考えて若干太くなっているのでしょう。
「カブ五〇は『一.二〇』、プレスカブや二種カブは『一.四〇』のリムです」
カブ九〇用を買ってしまわないように注意して探します。
「お? これは大丈夫そうやな……」
良さそうなホイールが出品されています、入札してみましょう。
さて、落札できるでしょうか? 長くなったので続きは次回に。
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