タイトルから連想される様なエグい描写はありません。
その手の話が苦手な自分でも平気でした。
それよりも、主人公とお話の造りが、大変、凝っています。
主人公があれをつけると実体を持ち、あれを変えるとそれまでの記憶を失い、同時に他人の記憶を引き継ぎ、しかも、本人がそれに気づかない。そして、あれが剥がれかけた時に本来の自分がほんの少し顔をのぞかせ、紹介文に戻ってくる。
このループ感に加え、主人公が自覚のないまま、他人の姿と記憶を引き継ぎ、しかも、その記憶を元に生きていく。主人公があれの持ち主になり代わった様に見えるし、あれの持ち主とは違うはず。でも、あれの持ち主の記憶だけは続いていく。
あれ、これって、一体、どういう事?
なり代わった様に見えて、その実、生きているのは誰なんだい?
と、主人公の造りから、とても、不思議な感覚が残ります。
タイトル(顔)はなかなかにキツイですが、中身はココロニクいファンタジーです。